ダル 順調だからこそ…求められる復帰への「我慢」

[ 2016年4月24日 09:15 ]

 故障からの復帰を目指す選手について「早ければ○日」「最短○日」「○日にも」などのフレーズが、記事の中でよく使われる。そこには時に、医療スタッフやチーム関係者の所見とともに、首脳陣や選手自身の期待や希望による「希望的観測」が含まれているケースもある。首脳陣のやや楽観的な見立てに対して、自分の意見を主張したのが、右肘手術からの復帰を目指すレンジャーズのダルビッシュだった。

 今月17日、ダグ・ブロケール投手コーチが「順調なら」26日(日本時間27日)にマイナー戦でのリハビリを開始すると報道陣に説明。しかし、ダルビッシュは21日のフリー打撃登板を前に、そういう案もあることを認めた上で「まだ分からない。自分は球種も多いから、必要だと思えば、もう一回(フリー打撃登板を)追加するかもしれない」と語った。実際、22日には本人の希望を踏まえて、26日ではなく5月1日(同2日)のリハビリ登板開始に備える方針が球団から発表された。

 ここで強調したいのは二点。一つはダルビッシュのリハビリは極めて順調であることで、21日の投球にも手応えを口にしていた。もう一つは、その登板後に「状態が完璧にならないと戻りたいとは思わない」と話したように、焦らずリハビリに取り組むという本人の意向は手術直後から一貫していることだ。昨年5月には「再手術になる方が(チームや自身に)ダメージが大きい。それは避けたい」と語っていた。

 レ軍は22日現在で10勝7敗の貯金3。ア・リーグ西地区首位タイと、まずまずの滑り出しとなった。一方、チーム防御率はリーグ15球団中、11位の4・04。投手陣は盤石とは程遠い。首脳陣からすれば、リハビリの経過が順調なエース右腕には可能な限り早めに戻って来てほしい思いは強いだろう。しかし、近年は復帰を急いで痛みを再発させ、2度目のメスを入れたケースも散見される。

 当初のメジャー復帰の目安は5月中旬から6月初旬。現時点では5月下旬以降の見通しで、タイムスケジュールに変更は生じていない。今年2月にダルビッシュは「本当に、心から投げたいと思えるようになってきた」と投球への「飢え」も明かしていた。しかし、万全での復帰は本人だけでなく、来季まで契約を残しているチームにも最善の選択なのは明らか。長いリハビリの最終段階となる今こそ、双方の「我慢」が求められる。(記者コラム・大林 幹雄)

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