【中畑清の視点】菅野は理由分かりスッキリ 今永は負けず半歩前進

[ 2016年4月23日 09:20 ]

<巨・D>延長11回、右手中指にテーピングをしてベンチに戻った菅野
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セ・リーグ DeNA1―1巨人

(4月22日 東京D)
 球界を代表するエースにルーキーが立ち向かっていく。いい投手戦だった。

 何もなきゃ菅野が勝っていたんだと思う。7回を2安打無四球と完璧に抑えながら、わずか89球で降板。試合後、由伸監督が「マメが…」と降板の理由を明かしてくれてすっきりした。球界には選手のケガについてとかく隠したがる風潮がある。「軍の機密」というヤツだ。でも、秘密主義はよくない。ファン目線に立って情報を公開すべき。菅野も公表してもらえばメディアにごまかすことなく治療し次の登板に向けて準備ができると思う。

 一方の今永。巨大な要塞(ようさい)みたいな菅野を意識して立ち上がりから飛ばしに飛ばした。150キロは出なくても真っすぐで空振りが取れるのが最大の武器だ。7回を6安打。5回2死二塁で8番の小林誠と勝負して1点を失った。敬遠する手もあったけど菅野は今季打撃絶好調だっただけに小林誠勝負の判断は間違ってない。カウント2―2から投じたチェンジアップが甘く入ってしまったのは反省すべき。でも、その後を抑え、9回の同点劇で負けが消えた。負けなかったのは半歩前進。DeNAも最後まで諦めない野球ができた。これを浮上のきっかけにしてもらいたい。(スポニチ本紙評論家)

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2016年4月23日のニュース