松坂、20日2軍戦で復帰後公式戦初先発 被災者支援も約束

[ 2016年4月20日 06:09 ]

鳥井田コーチ(右)からスマートフォンで撮影してもらいキャッチボールする松坂

 ソフトバンク・松坂大輔投手(35)は、20日のウエスタン・リーグ中日戦(タマスタ筑後)で14年の日本球界復帰後、公式戦初先発する。19日は筑後室内練習場で軽めのブルペン投球をした背番号18は熊本、大分へ「熊本地震」による被災者支援を行うと約束。まずは1軍マウンドに上がるために、初先発の舞台で結果を残す。

 2軍戦とはいえ、日本球界復帰後、公式戦は初先発のマウンドになる。昨年8月に右肩手術を行うなど、ここまで苦しむとは松坂自身が一番、想定外だろう。筑後室内練習場のブルペンで軽めの投球練習行った後、登板の予定に変更はないか問われた背番号18は「そうです」と短く言った。

 九州の思いを背負う。中継ぎで1イニングを1安打無失点に抑えた14日のウエスタン・リーグ阪神戦(鳴尾浜)では今季最速143キロを記録。試合前のブルペンでは右ふくらはぎをつり、そのまま、登板した。松坂にとっては体を内側から使えている吉兆。西武との3月16日のオープン戦(西武プリンス)以来29日ぶりの実戦だったが「あの時よりいい」と右肩上がりの兆候を感じ取った。きょう20日について、倉野投手総合巡回コーチは「50球をめどに2、3回になると思う」と一歩ずつ、前進させていく考えだ。

 ただ、手応えをつかみ、福岡へ戻った14日夜、自宅で揺れに襲われた。午後9時26分に熊本地方を襲った震度7の地震は治療を終え、移動する新幹線の中だったが、その後、16日未明の本震など、何度も人ごとではない揺れに遭遇した。タマスタ筑後の最寄り駅である筑後船小屋駅も九州新幹線が全線不通。ごく、身近に起こった災害だった。

 「(被災地に)協力していきたい。ニュースを見ると全国から物資が届けられますけど、その時のニーズがあると思います。(被災者が)必要なタイミングで何かしたい」と個人的に支援を行う構想を明かした。震災後、熊本にいる知人に安否確認すると「体は大丈夫だけど家に入れない人がほとんどだった」と深刻な状況を把握。レッドソックス時代は11年の東日本大震災では日本赤十字社を通じ、100万ドル(当時8100万円)を寄付したが、今後は最も貢献できる手段を探る。

 ただ、まずは1軍のマウンドで輝く姿を見せることが、何より勇気を与えることにつながる。遠回りした公式戦初先発。松坂は一歩ずつ確実に前へと突き進んでいく。

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2016年4月20日のニュース