伊東監督涙「熊本地震」募金集め「逆に勇気づけられた」

[ 2016年4月20日 05:30 ]

<ロ・ソ>試合前、両軍ナイン合同で行われた熊本地震義援金募金。募金するちびっ子の姿に目頭をぬぐう伊東監督

 募金したファンと握手を交わすうちに涙があふれだした。熊本県出身のロッテ・伊東監督は、熊本地震発生後初の本拠・QVCマリンでの試合となったソフトバンク戦の試合前に両軍の計13選手とともに募金箱の前に立った。

 「生まれ育った故郷が…見るも無残な姿を毎日見てますからね。あそこに行けない悔しさとか…野球をやっていていいのかなという気持ちでいっぱい。少しでも熊本の皆さんの役に立ちたい」。その後、報道陣の前では涙ながらに語った。

 14日の楽天戦(コボスタ宮城)後、震度7の大地震が起こった。すぐに熊本市内の家族に連絡を取り、無事を確認した。だが、余震を恐れて母・レイ子さんらは車の中に避難して夜を明かした。さらに、16日未明の大きな揺れで「家の中がぐちゃぐちゃになった」。断水が続き、2時間かけてやっと水が手に入ったという話も聞いたという。

 約20分間の募金活動を終え「逆にこちらが勇気づけられた。私は直接被害を受けていないけど“頑張ってください”と言われて胸が痛くなった」。20日、21日にも、伊東監督と選手は試合前に募金活動を行う。「野球で勇気を与えられたらと思うけど、それどころではない。“頑張ってくれ”としか言えない。まだ余震が続いている。ゆっくり休める環境だけでもつくってほしい」。それが熊本出身の指揮官の本音だった。(渡辺 剛太)

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2016年4月20日のニュース