ガッツ以来!近藤スミ1弾 体くるり回転「奇跡です」

[ 2016年4月20日 05:30 ]

<日・西>初回2死、先制ソロを放った近藤

パ・リーグ 日本ハム1-0西武

(4月19日 札幌D)
 もう一度同じスイングを、と言われても難しいだろう。日本ハム・近藤の打球は高々と舞い上がった。初回2死、西武先発・岸の143キロ内角直球に体をくるりと回して対応した。右翼席に飛び込む今季1号ソロ。先制弾はそのまま決勝点となった。

 球団として本塁打での「スミ1」勝利は02年の小笠原(現中日2軍監督)以来、14年ぶり。「ガッツ」の愛称で親しまれた強打者と同じ捕手出身の22歳の若武者は「奇跡です。体がうまく反応してくれた」と自賛した。

 岸には、前回5日の対戦(西武プリンス)で打線が1安打に抑えられて零敗を喫していた。ただ、近藤は腰の違和感でその試合を欠場していた。「岸対策」として主に5番だった近藤を今季初めて3番に据え、代わりに打撃好調の大谷を5番に置く新クリーンアップ。難攻不落の相手エースの立ち上がりを、今季初対戦で見事に仕留めた。

 意外にもこれが今季18安打目にして初の長打だった。本来のパワフルな打撃を取り戻すために、ティー打撃では打つ瞬間に軸足の左足をはねるように折り曲げ、右足にくっつけて体重移動してバットを振ったこともあった。大谷も取り入れた練習法。この日の試合前は「しっかりボールに回転がかからないと打球が飛ばない」と早出でロングティーも敢行した。金子打撃コーチのアドバイスを参考にし、千金弾につなげた。

 近藤は岸から4回に左前打、6回は右前打と広角に打ち分け、8回は高橋朋から四球を選ぶなど全打席で出塁した。「(4番の)中田さんの前で走者をためないといけない。そこに意識がいくのが一番」と3番の難しさを語るが、結果で示した。栗山監督も「こんちゃん(近藤)の良さは基本的には逆方向への打球。反応して打っていた」と称賛。負ければ最下位転落だった危機。若い力が救った。(柳原 直之)

 ≪小笠原以来14年ぶりの≫日本ハムは初回、近藤のソロ本塁打による1点を守り切り完封勝ち。チームの1―0本塁打は13年9月11日オリックス戦で5回に大野が放って以来。初回ソロのスミ1だと02年9月22日ダイエー戦で小笠原がマークして以来14年ぶりだ。

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2016年4月20日のニュース