九州男児の底力!ソフトB吉村 9回2死代打同点3ラン&12回劇弾

[ 2016年4月18日 05:30 ]

<ソ・楽>延長12回無死一塁、左越えにサヨナラ本塁打を放った吉村は両手を広げ喜ぶ

パ・リーグ ソフトバンク9―7楽天

(4月17日 ヤフオクD)
 思いよ届け!ソフトバンクは17日、熊本と大分の両県に被害をもたらした地震の影響で前日は中止になった楽天戦をヤフオクドームで開催し、サヨナラ勝ちを収めた。今季これまで無安打だった福岡出身の吉村裕基外野手(31)が9回2死から代打で1号同点3ラン、延長12回に迎えた次打席でサヨナラ2ランを放つ劇的な幕切れ。チームは今季初のサヨナラ勝ちと6連勝を飾った。

 届けた。野球の底力を見せつけた。延長12回無死一塁。外角高め、戸村の134キロカットボールを捉えた吉村は、確信したようにバットを放り投げた。左翼席中段に飛び込むサヨナラ2ラン。横浜時代の11年5月8日の阪神戦(新潟)以来、自身5年ぶりの3本目の劇弾だった。熊本など地震に被災して苦しむ人々へ、福岡出身の男が熱い思いを打球に乗せた。

 「力強く飛ばそうと思った。僕らは野球選手。野球でしか勇気を与えることはできない。これで勇気を与えることができればと思います」

 4点を追う9回2死二塁から起きた大逆転劇。まさに背番号6の独り舞台だった。内川の右前に落ちる幸運な適時打で3点差とし、なお2死一、二塁。代打で守護神・松井裕の直球を右翼ホームランテラス席へ運んだ。起死回生の1号同点3ラン。1、3球目の直球にはタイミングが合わず空振り。振り遅れていたが「追い込まれてコンパクトに振れた」。そのバットで、終幕のエンドロールが流れそうだった試合に続編を用意した。

 実は同点弾は開幕17試合、17打席目での初安打だった。前日は熊本、大分を襲った地震の影響で試合は中止に。深夜の緊急地震速報で睡眠不足だったものの、全体練習後は居残りでミラールームにこもり、バットを振った。熊本で飲食店を営む友人から、店のガラスが割れた話など被災地の状況を見聞きし「打てないくらいでどうこう言ったら駄目。苦しんでいる人たちは多くいる。自分の悩みなんか、ちっちゃい」と開き直った。1試合で代打本塁打&サヨナラ本塁打を放つのは、史上6人目の離れ業。今も被災地で苦しむ人々へ、諦めない心を持つことの大切さを伝えた。

 1点奪えばサヨナラ勝ちの12回無死一塁。吉村に対し「打て」のサインを出した工藤監督は「勢いというか、彼の打力、長打力を買った。鳥肌が2回立ったよ!」。この日のソフトバンクの開催決定は難しい決断だったが「最後まで諦めないのは選手たちが見せてくれた。少しでも力になれたらと思う」と、指揮官はこの試合の意義を感じた様子だった。

 チームは今季初の6連勝で貯金3。吉村は力強く言った。「僕の思いは小さいかもしれないけれど、重なると大きなものになる」。巨大地震にうちひしがれた九州の地に、復興を願った2本の「懸け橋」が伸びた。 (福浦 健太郎)

 ≪多村(D)以来史上6人目≫吉村(ソ)が9回代打で同点3ラン、延長12回にはサヨナラ2ラン。同一試合で代打本塁打とサヨナラ本塁打の両方を打ったのは多村(D)が13年5月10日巨人戦でマークして以来6人目。チームでは61年5月18日東映戦の木村以来55年ぶり2人目になる。また、吉村のように土壇場の9回に代打同点弾を放ち、延長戦でサヨナラ弾は藤井(オ)が97年10月9日ダイエー戦で記録したのに次ぎ2人目。

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