まさかの零敗で阪神首位陥落 希望の光は陽川プロ初打席初安打

[ 2016年4月16日 05:30 ]

<中・神>7回1死一塁、陽川は左前打を放つ

セ・リーグ 阪神0-6中日

(4月15日 ナゴヤD)
 阪神が今季2度目の零敗で首位から陥落した。15日の中日戦(ナゴヤドーム)は先発の能見がビシエドに被弾するなど2回6失点で降板。福留を左太腿裏故障で欠いた打線も4安打無得点に終わる中、プロ3年目の陽川がプロ初打席で初安打を放ってキラリと光った。

 「4番」の看板は、やはり重たいものなのだろうか。「超変革」を掲げ、ここまでリーグ2位のチーム83得点を挙げてきた猛虎打線が、たった一人の男を欠いただけで相手先発の左腕・ジョーダンの前に沈黙した。

 金本監督が「一番頼りになる打者」と話していた福留が開幕18試合目にして先発から外れた。前日13日のDeNA戦の4回に左前打して一塁へ駆け抜けた際に左太腿裏付近を痛め、代走を送られ途中交代。この日は球場入りしたが、高代ヘッドコーチが「1、2試合は様子を見ることになる」と話していたように試合前練習にも姿を見せることなく、ベンチ裏で治療に努めたもようだ。

 前日まで全17試合に4番で出場しチームトップの打率・322、2本塁打、9打点。その勝負強さはもちろん、鳥谷の12四球に次ぐ11四球を選ぶなど、つなぎの役割も果たし、ビッグイニングを演出してきた。加えて、左投手に対しては15打数8安打の打率・533と数字を残していただけに、なおさらだった。

 初回2死から江越が自身出場8試合連続安打となる左前打で出塁。昨季最終戦の10月4日広島戦以来、4番に入ったゴメスの2球目に今季初の盗塁企図となる二盗を試みたが失敗。そのゴメスは2回は先頭で遊ゴロ、4回2死一塁では二邪飛に倒れた。

 6点を追う5回には初めて5番に入ったヘイグが四球を選んだが、7日巨人戦以来、6試合ぶりに先発した次打者・横田が初球を打ち二ゴロ併殺打。俊足が売りの男が今季65打席目で記録した初の併殺打でもあった。

 敗戦濃厚の中でも、明日への希望をつなぐのが金本阪神だ。5回の守備から13日に3年目で初昇格した陽川がヘイグに代わり初出場した。「チャンスをつかめるようにしていきたい。準備はしてきたつもり」と話していた初打席は7回1死一塁で巡ってきた。1ボール2ストライクと追い込まれながら、ジョーダンの内角低めスライダーをうまくすくい上げた打球は左前で弾んだ。プロ初打席で見事に初安打を記録し、それまで沈黙していたレフトスタンドが、この日、最も沸いた。

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2016年4月16日のニュース