コボスタに鎌スタ ファン楽しませる球場づくりに見る球団の努力

[ 2016年4月16日 08:00 ]

観覧車の工事が進むコボスタ宮城

 もう10年前のことだ。当時、ロッテを指揮していたボビー・バレンタイン監督に「どこの球場が好きか」と聞いたところ、「フルスタだ」と即答していた。その理由は「楽しい球場だから」と話していた。そんな記憶が残っている。

 フルスタとは、楽天が本拠とする現在のコボスタ宮城のこと。まだ当時は楽天球団が誕生したばかりで、球場も毎年のように改修している状態だった。それでも、球場の外観、スタッフのユニホームはテーマパークを意識しているように感じた。球場周辺では子供が楽しめるような遊具を設置したり、外野の芝も不規則な形をしていて、視覚的にもおもしろかった。

 そして、ついに左翼席後方に観覧車が建設される。まだ完成していないが、巨大な物体を見ただけで不思議と心が躍る。内外野が天然芝になったこともそうだが、この球場はどこまで進化していくのだろうか。今のコボスタ宮城を見たら、ファンサービスに誰よりも熱心だったバレンタイン監督もきっと大絶賛することだろう。

 日本ハムが2軍の本拠地としている千葉・鎌ケ谷のスタジアムもいろいろな仕掛けを展開している。右翼スタンドにはプールがあり、巨大なスライダーが設置されたこともある。左翼ファウルスタンドには畑もある。季節によってさまざまな野菜が栽培され、収穫される。2軍施設とあって、これまで全国的な注目を集めることはなかったが、地域に密着し、地元ファンを獲得している。チームの勝敗こそがファンにとって一番の興味だが、こんなところにも球団の努力を感じる。(横市 勇)

続きを表示

2016年4月16日のニュース