涌井6回126球でも要所締め ハーラー単独トップ4連勝

[ 2016年4月15日 05:30 ]

<楽・ロ>力投する先発・涌井

パ・リーグ ロッテ9-2楽天

(4月14日 コボスタ宮城)
 ロッテは14日、楽天に敵地で同一カード3連勝を達成し今季初の4連勝を飾った。先発の涌井秀章投手(29)は6回で126球を費やしながらも、7安打2失点と粘りの投球。西武時代の07年以来となる開幕4連勝で、ハーラー単独トップに立った。本調子ではなくても、大崩れしないのがエース。昨季最多勝右腕がけん引するチームは貯金を6とし、2位・ソフトバンクに2・5ゲーム差とした。

 涌井はマウンドで苦しんでいた。味方が逆転した直後の5回、2―2の同点に追いつかれ、なお2死一、三塁のピンチ。松井稼にはフルカウントから2球ファウルで粘られた。しかし、8球目の外角フォークで見逃し三振に仕留めた。最少失点でとどめ、相手にリードを許さない。これが「勝てる投手」の証だ。

 「悪い中でも(2、5回の失点が)1点、1点だったのが、逆転につながったかな。ズルズルいかなかったのが勝ちにつながったと思う」。エースは、いつものように淡々と振り返った。

 試合中にフォームを修正した。2回に3安打で先制されるなど、3回まで4安打2四球の苦しい立ち上がり。「楽して投げていた。足を高く上げて、しっかり下半身を使って投げようと思った」。4回を3者凡退で切り抜けて試合の流れを呼び込むと、直後に打線が逆転した。今季最多の126球を投げた右腕は「試合中に気付けて良かった。すぐに結果が出た」。伊東監督も「3人で終わった後に2点取った。つくづくリズムだなと思った」と話した。

 高い修正能力はブルペンで磨かれた。今春の石垣島キャンプ。打ち上げ前日の2月18日にキャンプ最多の205球を投げ込んだ。150球あたりからは開幕戦で戦う日本ハムの打者の名前を挙げながら直球のみで三振か四球を判定し、3アウトごとに椅子に座って休憩。攻撃時を想定し水分補給やストレッチを行った。休憩時間が短いことを指摘されると「角中がゲッツーで(攻撃が)早く終わった」と笑いを誘った。常に実戦を想定した投げ込みを積んできた。

 2月17日にはモデルの押切もえとの交際宣言。公私とも充実させて12年目に臨んだ。恋人は3月25日の開幕戦を極秘観戦。その勝利から自己最多タイとなる開幕4連勝。「勝ちがつかなくてもチームが勝てばいい」と興味を示さなかったが、両リーグ単独トップの4勝目は2年連続最多勝への最高のスタートだ。

 チームは今季初の4連勝を果たし、貯金を13年以来の6まで伸ばした。下馬評が高くない中で決めた鮮やかな開幕ダッシュ。涌井は「次はもう少し長いイニングを投げたい。チームが苦しい時にカバーできれば」とエースらしい言葉で締めた。(渡辺 剛太)

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2016年4月15日のニュース