4年で約2000チーム減 若年層の野球人口取り戻す妙案どこに…

[ 2016年4月15日 10:53 ]

 いつも土、日に少年少女に野球の指導をしていた知人が、その日はなぜかサッカーの試合を見ていた。私の姿を見ると「サッカーの大会が入ってね。野球の練習が今週はできなかった。サッカーから体の大きい選手でもスカウトでもしようかと思って」と本音かどうかも分からない言葉を発した。

 若年層の野球人口の減少はもはや疑いようのない事実である。全日本軟式野球連盟の小学生の軟式野球登録チーム数を見ても、2010年に1万4824チームから、14年には1万2663チームまで減少した。4年で2000チーム近くが消滅した計算だ。

 子どもの生活で野球へ接触する機会は減った。家に帰れば親が野球中継を見ている…なんて光景は、はるか昔のことのように思う。前述の監督は「昔はテレビで野球を親が見て、子どもが実際にやっていた。野球が家庭の一部であったが、今は違うんだ」と話す。「野球の刷り込み」の時間、機会が圧倒的にない。「野球少年はおろか、将来、野球自体を知らない大人は、球場に足を運んでくれなくなる」とあるプロ野球界OBの言葉を聞いたのは、もう10年近く前になる。

 パ・リーグ6球団が出資する事業会社パシフィックリーグマーケティング株式会社(PLM)は昨年「パ・リーグさんすうホームラン」「パ・リーグ漢字ストラックアウト」といったアプリのサービスをはじめた。「まず野球を身近に感じてもらえる取り組み」は面白い。日本野球機構(NPB)では、「ベースボール型」授業へ向けた教員への研究会実施や、小学校や地域の公園に「壁当て遊び用の壁(ベース・ウォール)」を寄贈する事業「NPB 未来の侍プロジェクト」も始まっている。野球を知らない子どもに野球を感じてもらう作業が大きな意味を生む時代である。

 野球はルールが複雑のため、未就学児や小学校低学年時は別のスポーツを選択する。幼児教室のチラシを見ると、水泳や体操が圧倒的に多い。親が初めて子どもに運動させる上で、選択肢に野球はない。そして、小学校に入ってから、野球に転身するといった「土壌」もなくなってきている。

 グラウンドがない、減少した野球チームへ参加するために、遠くまで親が送迎する…といった問題は指摘されて久しい。特効薬はなくとも、何か妙案はないものか。(記者コラム・倉橋 憲史)

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