“サボり大魔王”と言われ続け…西岡男泣きサヨナラ打 虎首位や!

[ 2016年4月9日 05:33 ]

<神・広>お立ち台で涙ぐむ西岡

セ・リーグ 阪神3―2広島

(4月8日 甲子園)
 目が潤んだ。阪神移籍4年目で、本拠・甲子園で初のサヨナラ打。お立ち台に上がった西岡は「この2年間ケガをして、この場所に立てたのも本当にうれしいと思いますし…」と話すと、声が詰まった。男泣きだった。

 9回。同点に追い付き、なお1死一、三塁。西岡は金本監督から「チーム全体が差し込まれ気味。タイミングを早く取れ」と助言されて打席に入った。しかし2球で追い込まれる。4球目。とっさの機転で、ノーステップで中崎の141キロ直球に反応した。右越えへのサヨナラ打。指揮官は「人の話を聞いてんのか、と思ったけど。最後は経験を生かしてね」と殊勲打を笑顔で喜んだ。

 西岡の涙には理由があった。お立ち台。偶然にも観客席の両親の姿が視界に入った。「(泣くのは)格好悪いんですけど。ケガをして両親には心配ばかりかけていたので…。家族の支えに感謝したい」。昨オフ。実は「引退」の2文字が脳裏をよぎった。度重なる故障で14年は24試合、昨季は50試合の出場にとどまった。「辞めたい…」。愛する家族に思わず本音を漏らしたが「もう1年だけはユニホーム姿を見たい」と懇願された。復活へ、大いなる勇気をもらった。

 「(監督に)キャンプから“サボり大魔王”と言われて。いつかこういう日が来て、“西岡がやってくれた”と言われるよう日々やってきた」

 待ちに待った甲子園での今季初戦。劇的すぎる逆転サヨナラ勝利を、金本監督は「絵に描いたような、ドラマみたいな試合だった」と表現した。巨人を抜いて今季初の首位にも浮上。「そうなんですか?何も考えてもいない」と話した指揮官に対して、西岡は言った。「早とちりしてはいけない。謙虚にいきましょう」。しかし今の猛虎の勢いに、謙虚という言葉は似合わない。

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