巨人ドラ1・桜井 復帰戦で150キロ目指す

[ 2016年4月7日 11:09 ]

巨人・桜井

 巨人のドラフト1位・桜井が3月31日、右肘の違和感により出場選手登録を抹消された。現在は、約3週間のノースロー調整中。期待の右腕は、川崎市のジャイアンツ球場でリハビリの毎日だ。

 先日、話を聞くと「チームに迷惑をかけて申し訳ないです。いまはケガをしたのが開幕してすぐのこの時期で良かったと思うようにしています」と明るく返ってきた。もちろん戦力になれていない悔しさはあるはずだ。それを押し殺すように、努めて前向きに捉えようとしている姿が印象に残った。

 復帰後を見据え、現在はもう一度、体を見直している。「試合が続いていて体を鍛えたり、メンテナンスができていませんでした」。初めて過ごしたキャンプ、オープン戦。疲労も重なり、体調は万全ではなかった。特に下半身。内海や大竹といった実績ある選手に交じり、走り込みと筋力トレーニングで強化を続けている。デビュー戦で感じた「直球のキレがなかった。もう一度、1軍に呼ばれるときにはキレを戻したいと思います」という考えからだ。

 抹消前日のDeNA戦(横浜)でプロ初登板初先発を果たした。キャンプ、オープン戦と結果を残して手にした舞台。無失点で迎えた5回にアクシデントは起きた。「今までには感じたことのない痛みでした」。筒香にカーブを投げた際、肘に異変を覚えた。この回途中で降板。華々しく初勝利を飾るはずだったマウンドから4回1/3、83球での早期降板となった。

 負傷する前に感じたという直球の重要性。「もう少し、真っすぐで空振りを取れたらピッチングも楽になっていたと思う。いくら変化球があっても、やっぱり真っすぐだなと思いました」。本来の直球が投げられなかった。最速150キロを誇っていた直球も、その日は145キロ止まり。ファウルで粘られ続けるため、苦しんだ末に変化球で勝負するシーンもあった。

 1軍の試合は時間の許す限り、寮のテレビで観戦している。「戻ったときには150キロ出せるようにしたいんです」。進化して戻るために。桜井は地道なリハビリと強化に明け暮れ、我慢のときを過ごしている。(記者コラム・川手 達矢)

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2016年4月7日のニュース