試合前にクラッカーで一丸!延長の巨人、由伸監督41歳誕生日祝う

[ 2016年4月4日 05:35 ]

<広・巨>延長12回1死一塁、高橋監督は立岡の二塁打で生還した鈴木尚(左)を出迎える

セ・リーグ 巨人4―3広島

(4月3日 マツダ)
 最高の誕生日プレゼントだ!首位・巨人は3日、広島戦で延長12回1死一塁から、立岡宗一郎外野手(25)の決勝適時打で競り勝ち。高橋由伸監督(41)の誕生日に総力戦で白星を挙げ、貯金を5とした。巨人では就任1年目の監督が開幕から3カード連続で勝ち越すのは初めて。試合前にはナインがサプライズで指揮官を祝福するなど、チームの一体感が今季延長戦3戦3勝という勝負強さの原動力となっている。

 厳しい表情が、ようやく緩んだ。雨中の延長12回。1死一塁から立岡の左中間適時二塁打で勝ち越すと、ベンチの高橋監督は会心の笑みを浮かべた。41回目の誕生日に一番欲しかったプレゼントを手に入れ、ナインへの感謝を口にした。

 「監督として最初の誕生日に勝ててよかった。チャンスもピンチもいっぱいあって、その中でも集中力を切らさず、天候も悪かった中で最後までよくやってくれました」

 4回までにギャレット、坂本の「祝砲2発」で3―0とリード。楽な展開と思われたが、中盤以降は思い通りにはいかなかった。5回、今季初先発の今村が2死走者なしから死球と四球で一、二塁とし、丸に2点三塁打を浴びて1点差に。「あの回を頑張ってほしかった」と高橋監督は継投策に出たが、8回には4番手・山口が同点に追いつかれた。しかし、その後は沢村を10回から2イニング投げさせるなど勝ち越し点を与えなかった。

 延長12回。初戦でも延長10回に決勝三塁打を放っている立岡が、またしても決着をつけた。今季早くも3度目の猛打賞に「みんなで粘ってきた。絶対、勝ちたかった」とナインの思いを代弁した。昨季途中からレギュラーに定着した立岡は、同じ外野手だった高橋監督の試合に臨む姿勢をずっと見てきた。その指揮官の現役時代をほうふつさせる勝負強さ。開幕から全試合2番で起用されている背番号58は「いつもしっかり準備をして、ああいうふうになりたいと思っていた」と改めて尊敬の念を口にした。

 昨季まで現役だった高橋監督と選手との「距離の近さ」がいい雰囲気を生み出している。球場入り後のミーティング会場。円陣の最後に主将の坂本が「おめでとうございます!」と背中に隠していたクラッカーを鳴らした。それに選手が大小のクラッカーで続く。そして、ベテランの鈴木が大きなクラッカーを頭上に向けて放つと、金色のテープが監督の顔を覆い、爆笑が巻き起こった。選手会長の長野が音頭を取り選手、裏方さんが協力。長野は「勝つのが一番のプレゼントですから」と話したが、この結束力が、延長戦3戦3勝という接戦をものにする原動力になっている。

 高橋監督は「こうやって延長戦が続いてしんどいのかなと思いますけど、その中で頑張ってくれた」と目を細めた。5日からは、同じく3日の誕生日を白星で飾った金本監督率いる阪神と今季初の伝統の一戦。「また気持ちを新たに戦っていきたい」。気分よく帰京の途に就いた。(春川 英樹)

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