阪神・岩貞 毎回12K7回零封1勝 金本監督バースデー前祝い

[ 2016年4月3日 07:49 ]

<D・神>4回2死満塁、戸柱を空振り三振に抑え、吠える岩貞

セ・リーグ 阪神5―0DeNA

(4月2日 横浜)
 阪神・岩貞祐太投手(24)が2日のDeNA戦(横浜)で自己最多の毎回12奪三振、7回無失点の快投で今季初登板初勝利を挙げた。前日1日に“師匠”能見が力投の末に痛打された筒香も三振に仕留めるなど雪辱を果たし、3日の金本監督の48歳誕生日を前祝い。引き分けを挟んだ連敗を止め、再び貯金1に戻した。

 ヒーローインタビューに立つ岩貞は照れくさそうに笑った。横浜商大時代から慣れ親しみ、プロ初勝利も挙げた縁深い球場で今季初登板初勝利。喜びをかみしめるようにグッと左手を突き上げ、“ホーム”の大歓声に応えた。

 「(球場との縁は)ないんじゃないですかね。でも投げやすいです。勝てて良かった。シーズン最初の登板で勝てて幸先良い。うれしいです」

 4回に迎えた1死満塁の窮地。試合の流れを左右する局面で西岡から声を掛けられた。「あれで冷静になれた。絶対に抑えようと思った。腕を振ることを心懸けた」。宮崎に対しては3ボールとして押し出し四球寸前まで追い込まれても腕を振り、2球続けた直球で二飛。戸柱も外角直球で空振り三振に退けた。

 師匠直伝の技と力がさえた。1月中旬、能見との沖縄合同自主トレに「技術的なことを聞きたい」と初参加。助言を仰いで精度を増したチェンジアップは左打者に対しても投げられるようになり、磨きをかけた直球は最速148キロを計測した上に以前のような制球難もなくなった。

 自己最多の毎回12奪三振で4安打に封じ、7回を零封した。投球時に頭が揺れる悪癖をフォーム矯正。「球が暴れなくなった」と胸を張ったようにわずか1四球の安定感が光った。昨季初登板の5月24日DeNA戦では2回1/3で4四球、一昨年8月31日ヤクルト戦では5回2/3で5四球。乱れ、苦しむ姿はもうない。

 先制の援護を得た6回2死ではフルカウントから投げ込んだ外角直球で筒香を見逃し三振に抑え込んだ。1、2打席目に2安打され、前夜は能見も被弾した難敵。自分と師匠の分を合わせて雪辱した会心の1球だった。

 今春キャンプ中盤に左肩張りを抱え、3月初旬から2軍再調整。一時は大きく後退した先発6番手争いをオープン戦最終戦での好投で一気に大逆転し、つかみ取った先発マウンドで躍動した。

 2日前は5時間12分の末の延長12回引き分け、前日は今季初のサヨナラ負け。2日間に渡った重苦しい雰囲気も消し去り、3日に48歳の誕生日を迎える金本監督の期待に応えた。「次の登板でも思い切って投げてチームの勝ちにつなげるように頑張りたい」。高山、横田ら野手陣だけではない。投手陣にも『超変革』の男が現れた。 (湯澤 涼)

 ≪自己最長タイ7回≫岩貞(神)が7回を4安打無失点で15年6月4日ロッテ戦以来となるプロ通算3勝目。毎回の12奪三振は初勝利の14年8月17日DeNA戦の6奪三振を上回る自己最多。投球回7イニングは14年9月7日の中日戦に並ぶ自己最長タイだが、前回は負け投手だった。なお過去2度の勝利はいずれも失点や出塁を許してのイニング途中降板。イニングを完了しての勝利は今回が初めてだ。

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