3226日ぶり完封の41歳黒田 9回は志願の続投 女房役・石原と“驚き”の抱擁

[ 2016年4月3日 05:30 ]

<広・巨>完封勝利の黒田(右)は石原と歓喜の抱擁

セ・リーグ 広島3―0巨人

(4月2日 マツダ)
 圧倒、圧巻、あっぱれだ!広島・黒田博樹投手(41)が2日、巨人戦(マツダ)で120球を投げ抜き4安打完封。今季2戦2勝で、日米通算195勝目を挙げた。日本での完封は07年6月3日の楽天戦(フルスタ宮城)以来、実に3226日ぶり。41歳以上の完封は史上4人目、右投手では若林忠志(毎日)以来66年ぶりだ。リーグ首位を走る由伸巨人を抑え、チームの連敗を2で止めて勝率5割に戻した。

 今季最多の3万1213人の大観衆から湧き起こる「黒田コール」。熱き声援を背に受けて、黒田は志願して9回のマウンドに上がった。2死二塁。最後の打者・ギャレットを中飛に仕留めると、完封勝利を演出してくれた石原と抱擁を交わした。長くバッテリーを組む女房役が「記憶にない」と目を丸くする。41歳1カ月。普段は見せない驚きの行動に、達成感がにじみ出ていた。

 「(抱擁は)ホッとする方が先だった。リリーフが連戦で投げていたので、一人(の打者)でも多く…と思っていた。最高の雰囲気の中で最高の結果が出てよかった」

 三塁を踏ませない快投劇。初回2死二塁を抑えリズムに乗った。打席にはメジャー時代に14打数5安打1本塁打、打率・357と苦戦した4番・ギャレット。初球の高めカットボールで空振りを奪い、2球目も同じ球種で内懐を突いた。結果は遊飛。完勝だった。

 加えて宝刀ツーシームも威力満点だった。カットボールとは逆に曲がる球種。ベース板の横幅17インチ(約43・2センチ)を存分に使い、緩急や高低も巧みに操った。最大の見せ場は8回だ。連打で無死一、二塁。1死後に代打・片岡をバックドアの140キロツーシームで二ゴロ併殺打に斬ると、右拳をグッと握った。

 「狙い通り。石原がいいリードをしてくれた。一番苦しい場面。何としても抑えたかった」

 広島に復帰した昨季は完投勝利がゼロ。黒田の目に映ったのは、リーグトップ5完投をマークした大谷(日本ハム)の姿だった。「完投能力のある投手がいい。週1度でも、中継ぎが休めるなっていう日があるのとないのでは全く違う」。実は黒田は「元祖完投王」。01年にはシーズン13完投を記録したこともある。「若い頃は自分を売り出そうと完投にこだわったけど、今はもう…」と笑うが、救援陣が安定感を欠く状況での続投志願はまさに男気満点だった。

 「いろんな経験をしているので投げ切れた。自分の完封よりも、チームが勝ったことにホッとしている。(今後も)そうは無理もできないけど、いける時はいきたい」

 完封はヤンキース時代の13年4月14日オリオールズ戦以来で、日本で9年ぶり。開幕2戦2勝は広島で初、メジャーを含めてもドジャース在籍時の11年しかなかった好発進だ。日米通算200勝へあと5勝。春の温かい日差しを受けて、黒田がまぶしく輝いた。 (江尾 卓也)

 ▼巨人・ギャレット(メジャー時代の対戦と比べ)球速は落ちたけど、いい投手。コントロールもいいし、シンカー(ツーシーム)も含めていろいろな球種をいいところに投げられた。

 ▼広島・緒方監督 当たっている巨人打線を相手に、よく投げ切ってくれた。9回は志願だよ。もちろん止めなければいけない時もあるけど充実した気力の中でマウンドに行くのなら、止めることはしない。

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