ロペス神の手生還!忍者走塁だ!ラミDeNA 由伸巨人止めた

[ 2016年3月31日 06:30 ]

<D・巨>本拠地初勝利をあげてビクトリーポーズをするDeNA・ラミレス監督

セ・リーグ DeNA6―3巨人

(3月30日 横浜)
 由伸巨人止めた!DeNAは30日、巨人に6―3で勝利し、開幕から12球団で唯一負けていなかったライバルに初黒星を付けた。3点を追う5回に5連打などで4点を挙げて逆転。2点を追加した7回には重盗のサインを送るなど、アレックス・ラミレス新監督(41)の積極的なベンチワークも光った。DeNAは今季の本拠地初勝利を挙げ、チームの連敗は3で止まった。

 敵将の動きをじっと見つめていた。7回1死一、三塁で、巨人の高橋監督が今村から土田への投手交代を球審に告げた時だ。ラミレス監督は即座に決断した。一塁走者の倉本と三塁走者の筒香に対し「初球に走れ!」というサインを送った。捕手が二塁へ送球した瞬間に筒香がホームへ突入して6点目を奪った。

 「あの状況で向こうは予期していなかったはず。これがマイスタイル!もっとみんなに見せることができればと思うよ」

 勝利を引き寄せたこの7回は「ラミ流」の野球が凝縮されたイニングだった。重盗の前には1死二、三塁で倉本の二ゴロの間に三塁走者のロペスが本塁へ突入。捕手・小林誠のタッチをかいくぐる「忍者走塁」で1点を追加した。今季から導入された本塁クロスプレーでのビデオ判定の初めての適用となったが、得点が認められた。今季からコリジョンルールが導入され、指揮官は「可能性があれば積極的にサインを出す」と常々話していた。それを開幕5戦目で実行し、成功させた。

 参考になるプレーがあった。20日の楽天とのオープン戦(横浜)で、重盗を決められて勝ち越しを許した。ラミレス監督は「自分たちにチャンスがあるだけではなく、逆にやられる」と悔しがっていた。キャンプでも新ルールを意識した走塁練習を行い、ミーティングでも積極走塁の必要性を説いていた。重盗でホームを踏んだ筒香は「打順に関係なく、いつも言われていること。みんな準備はできているし、サインが出ても驚きはしなかった」と振り返った。

 指揮官は逆転した5回にも動いていた。4回まで巨人先発の桜井の前に散発4安打。試合前にも伝えた「追い込まれる前の早いカウントから振っていく」という指示をこの回の前にあらためて徹底した。1死二、三塁では荒波が初球を右前へ2点適時打し、反撃ののろしを上げた。積極打法で5連打の猛攻。「その指示がキーだった。気持ちで勝ちをもぎ取らないといけない時がある。きょうはそれができた」と胸を張った。

 本拠地での今季初勝利を挙げ、巨人の連勝を4で止めた。チームの連敗も3でストップ。「まだ完成するのには時間がかかるけど、きょうは理想の野球だよ」。チームに新しい風を送り込む指揮官は、満足そうな表情を浮かべて帰りの車に乗り込んだ。(中村 文香)

 ▼DeNA・倉本(重盗のサインについて)二塁に投げてくれ、と思っていた。大きな1点だったと思います。キャンプから取り組んできたことが実践できてよかった。

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