ムネ“激動の1日”アーチ締め クビ→30分後再契約→途中出場

[ 2016年3月31日 05:30 ]

<カブス・アスレチックス>8回、今オープン戦初本塁打となる3ランを放つ川崎

オープン戦 カブス9―5アスレチックス

(3月29日 メサ)
 カブスの川崎宗則内野手(34)は29日(日本時間30日)、激動の1日をオープン戦初アーチで締めた。アスレチックス戦前に、新たなマイナー契約を結び直すため、いったん契約解除に。その影響で全体練習に参加できず、6回から途中出場したが、8回の打席で右越え3ランを放った。開幕はマイナーで迎えることが決まったが、ジョー・マドン監督(62)はシーズン中のメジャー昇格を確約した。

 最後は豪快かつ、川崎らしく爆笑で締めた。8回無死二、三塁から、内角球を叩き右翼芝生席への3ラン。ベンチで手荒い祝福かと思いきや、チームメートは何事もなかったかのように知らんぷり。数秒間を置いた後に、全員が笑顔で手を広げると、待ってましたとばかりに破顔一笑の川崎は祝福の輪に身を委ねた。

 「サイレント・トリートメント」と呼ばれるメジャーの歓迎儀式。満場の「カワサキ」コールとともに、新天地でも愛されている証拠だった。「凄いのが出た。アメリカに来て初めての当たり。最後にキャンプの成果が出た」。メジャーでは4年間で1本塁打の川崎は久々の感触に酔った。

 試合前には開幕メジャー25人が発表され、川崎の名前はなかった。「チームからクビだよと言われた。自分では(厳しさを)分かっていたつもりだけど、傷ついた」。一度は契約解除の措置が取られたが、これは違約金を抑えた上で新たな契約を結び直すための措置。「30分後に契約し直してくれと。すぐサインしました」。その影響で試合前の全体練習に参加できなかったが、新たなマイナー契約を結んで6回の二塁守備から出場した。

 今オープン戦はチームトップの16安打を放ち、打率・381。ジョー・マドン監督は「長いシーズンは(開幕の)25人以上の力が必要。彼はその機会を得るだろうし、今季のチームの成功の重要な役割を担う」とシーズン中のメジャー昇格の確約ともとれる言葉で高く評価し、さらに「彼が来たら、シカゴで最も有名なアスリートの一人になるだろう」と続けた。

 オープン戦には引き続き同行し、開幕は傘下3Aアイオワで迎える見通し。川崎は「もっと野球が上手になる努力をしたい」といつものように前向きだった。

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