1月に墓参 由伸監督 大先輩・藤田監督に並んだ「比べるのは失礼」

[ 2016年3月30日 09:20 ]

<D・巨>4回1死一塁、2ランを放ったギャレット(背番号5)を出迎える高橋監督(中央)ら巨人ベンチ

セ・リーグ 巨人6―2DeNA

(3月29日 横浜)
 巨人は29日、DeNAに6―2で快勝した。4番のギャレット・ジョーンズ外野手(34)と5番のルイス・クルーズ内野手(32)の新外国人コンビが初アベック弾。計3発が飛び出し、デビュー戦となったDeNAのドラフト1位・今永昇太投手(22=駒大)にプロの洗礼を浴びせた。開幕4連勝を飾り、高橋由伸監督(40)は、新人監督では1981年の藤田元司の球団記録に並んだ。30日の同戦も勝てば新記録の開幕5連勝を達成する。

 新助っ人2人のアーチが敵地の空気を変えた。0―0で迎えた2回。まずは5番のクルーズだ。デビュー戦のドラフト1位・今永が内角低めに投じたスライダーを思い切り引っ張り、左翼席へ先制の2号ソロを放った。

 「タイミングが取れていて、今は凄く調子がいい。変化球にもうまく反応できた」。DeNAの本拠地開幕戦で、試合前には壮大なセレモニーが行われた。アウェー感が漂う中で強烈な先制パンチ。高橋監督も「クルーズが最初に初対戦の投手にいい打撃をしてくれた。流れが来た」と振り返る。その言葉通り、4番のギャレットが続いた。4回1死一塁からライナーで2戦連発となる右越え2号2ランを放った。

 メジャー通算122本塁打の左の強打者だが、左腕は苦手で来日前から不安視されていた。それでも1打席目に空振り三振を喫したスライダーを捉え「しっかり見たことで2打席目につながった」と順応性も証明した。開幕4戦目で早くも飛び出した「ギャレクル弾」で序盤に優位に立てた。

 現役時代に中軸を担ってきた40歳の新指揮官。就任直後から「中軸がしっかり打てば(いい)試合ができる」という信念の下、オープン戦中盤から4、5番を固定した。狙い通りの試合展開に「やっぱり4、5番がこうして打ってくれるといい試合運びができる」と笑みをこぼした。元同僚のラミレス監督との「新人監督初対決」を制し、球団では81年の藤田元監督に並ぶ新人監督記録の開幕4連勝を飾った。

 今年1月には、その藤田元監督が眠る都内の墓前に手を合わせた。慶大の先輩でもあり、監督就任の報告とキャンプ、シーズンが始まるあいさつを済ませ、最後には「頑張ってきます」と静かに語りかけた。06年2月に死去した際にはキャンプ地の宮崎を離れ、選手会長として都内で営まれた告別式にも参列した。

 就任1年目の81年に日本一にも輝いた偉大な先輩との比較には「歴代の監督に比べるのは、まだまだ失礼と思っています」と謙虚な姿勢を崩さなかったが、選手の話題になると「本当に選手たちがよくやってくれている。こういう試合を続けていきたい」と相好を崩した。新人監督新記録の開幕5連勝を懸けた、30日。デビューするドラフト1位・桜井にマウンドを託す。 (川手 達矢)

 ≪新人監督最多は6連勝≫巨人の開幕4連勝以上は13年に1分けを挟んで7連勝して以来11度目。高橋監督の4連勝は81年藤田監督に並ぶ新人監督の球団タイ記録になった。なお、他球団を含めた新人監督の開幕連勝記録は72年与那嶺監督(中)、79年梶本監督(阪急)の6連勝。

 ≪4戦全て先発投手が白星≫先発のポレダ(巨)が7回無失点で勝利。これで巨人は開幕戦の菅野から高木、田口、ポレダと先発4投手がいずれも6回以上自責点3以下のクオリティースタート(QS)で白星。過去に巨人が開幕から4連勝全て先発投手が勝ったのは39、41、83年に次いで4度目。オールQSは1リーグ時代の39年に川上、スタルヒン、スタルヒン、川上と2投手で記録して以来77年ぶり2度目だ。

続きを表示

この記事のフォト

2016年3月30日のニュース