【甲子園百景・春】バントの明石商 さらに磨いて夏再び

[ 2016年3月29日 08:05 ]

<龍谷大平安・明石商>7回1死三塁、明石商・大田はスクイズを試みるが龍谷大平安・市岡に外され三振併殺。明石商は度重なるバント失敗が響いた

第88回センバツ高校野球準々決勝 明石商1―2龍谷大平安

(3月28日 甲子園)
 勝った龍谷大平安より大きな拍手をもらった。センバツ40回出場の横綱に初出場の明石商が食らいつく。1―1の延長12回、1球ごとに4万2000人の大観衆がどよめく。2死満塁。1メートル70の小さなエース吉高の178球目。鋭い金属音を残し、龍谷大平安・小川の打球は左中間に落ちた。

 明石市立の公立校。報徳学園、育英、神戸国際大付ら私立の強豪校ひしめく兵庫の中、就任9年目を迎えた狭間善徳監督の指導で徐々に力をつけた。明徳義塾では馬淵史郎監督の下でコーチを務め、明徳義塾中学の監督もこなした。この5年間が、狭間監督のバックボーン。勝つために何が必要か、強豪私学に勝つにはどうするか。足を絡め、バントを多用し、着実にチャンスをものにする。試合前のノックは、つい引き込まれるほど。監督の「うまくなってくれ」という意思が打球に伝わってくる。

 日南学園をサヨナラスクイズで下し、優勝候補の一角・東邦には吉高が完封。存分に甲子園で暴れ回った。でも狭間監督に満足の2文字はない。「全てにおいてレベルを上げないと。選手は夏に(甲子園に)戻ってくると言うかもしれないが、そんな簡単なものじゃない」。バントの明石商がバントミス。まだやることは山ほどある。「挫折したこともあったけど、コツコツやっていればいいこともあるね」と夢舞台に立てた喜びも忘れない。明徳義塾のユニホームを元にした縦じま。普通の高校生が甲子園にでっかい足跡を残した。(落合紳哉・特別編集委員)

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