【キヨシスタイル】由伸采配 ブレない選手起用が勢い呼び込んだ

[ 2016年3月29日 11:02 ]

巨人の開幕3連勝を絶賛し、スポニチ本紙を手に笑顔を見せる中畑氏

 キーワードは「信頼」――。スポニチ本紙評論家に復帰した中畑清氏(62)が隔週火曜日付でお届けする熱血コラム「キヨシスタイル」の第1弾。4選手の野球賭博関与が発覚するという不祥事を受けながら、いきなり開幕3連勝と最高のスタートを切った巨人・高橋由伸監督の采配に迫る。

 いいねえ、由伸監督。開幕3連勝という結果はもちろんだけど、内容が素晴らしい。攻めていく姿勢、切れない緊張感、ミスをカバーし合う選手間のつながり。今ジャイアンツに求められているもの――。「信頼」がグラウンドの中にあふれているんだ。

 象徴的な存在が小林誠だ。体調が万全じゃない阿部慎之助をスパッとベンチから外し、「おまえに託す」と無言のメッセージを送った3年目の捕手。1―0で迎えた開幕戦の7回1死一、二塁で打順が回ってきた。代打で勝負を懸けてもいい場面でも動かず、そのまま打たせたら右中間を破る2点タイムリー二塁打。成長を信じた結果だ。

 直前に1番起用を決めた長野が開幕戦で先制アーチを放てば、ルーキーの重信と最後までレフトのポジションを競わせた亀井が第2戦で先制打。第3戦ではオープン戦からずっと4番に入れた新外国人ギャレットが逆転2ランを放った。ブレない選手起用がチームに勢いを呼び込んでいる。

 2004年のアテネ五輪を思い出す。予選リーグの台湾戦、3―3で迎えた延長10回1死満塁。三塁走者だった由伸は投手交代の合間にベンチへ戻り、ヘッド兼打撃コーチとして指揮を執っていた私に「浅いフライでも勝負していいですか?」と聞いてきた。「当たり前じゃないか」と返したら、小笠原(現中日2軍監督)の打球は浅いレフトフライ。由伸は頭から突っ込んでサヨナラのホームを奪い、決勝トーナメント進出を決めた。先を読んでの準備、決断、実行。監督としての素地は当時から感じていた。

 長いシーズン、負けが込むこともあると思うけど、自分を信じ、選手を信じ、由伸野球を押し通してほしいね。そうすれば必ずファンはついてきてくれる。ベンチと選手、スタンドが信頼で結ばれた新しいジャイアンツが生まれる気がする。

 開幕前の順位予想。巨人を初めて4位にしたんだけど…。3試合でブレてちゃ笑われるかな。 (スポニチ本紙評論家)

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