【赤星憲広の視点】阪神に新たな得点パターン見た 下位打線の攻撃見事

[ 2016年3月26日 09:09 ]

<神・中>5回裏無死一、三塁、メッセンジャーの三ゴロの間に同点のホームを陥れる西岡

セ・リーグ 阪神2-5中日

(3月25日 京セラD)
 敗れはしましたが、2016年の金本野球は「これだ!」というものを随所に見ることができた開幕戦でした。

 新たな得点パターンができたことは、今後の戦いを見据えた上で大きいでしょう。初回、1番・高山が出塁すると、2番・横田はバントではなく強攻。内野ゴロで入れ替わって残った横田がすかさず二盗を決め、3番ヘイグで還すという理想的な攻めでした。

 5回には先頭の7番・西岡が中前打すると、続く岡崎が初球からヒットエンドランを決め一、三塁。メッセンジャーへのサインは一塁走者だけを進めるバントかと思いきや、今度はバスターエンドランを仕掛けてきました。「バントがダメ」というのではありませんが、7~9番の攻撃でバントをせずに1点を奪ったのは見事でした。

 キャンプから『超変革』を掲げここまでやってきましたが、オープン戦でやってきた形をそのまま出すことができました。昨年、大野から見て3勝1敗で防御率0・76と抑え込まれました。その大野には5安打で終わりましたが、その中でも見せ場をつくることはできた。勝った大野にしても「いろんな攻撃パターンがある」と感じたでしょうし、昨年とは違う印象を受けたはず。今後、どう攻略するかという課題は残りましたが、あらゆる策を講じた中での敗戦でした。

 勝ち、負けはどちらかにつくわけですから、きょうに関しては中日が良い試合をした、ということで良いと思います。阪神からしても「よし、あす、もう1回」と思える敗戦。今後が非常に楽しみに思える一戦でした。(スポニチ本紙評論家)

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2016年3月26日のニュース