摂津“悔幕”3回6失点KO 3点援護も「何もできなかった」

[ 2016年3月26日 05:30 ]

<楽・ソ>3回2死一塁、嶋に適時打を浴び肩を落とす摂津

パ・リーグ ソフトバンク3-7楽天

(3月25日 コボスタ宮城)
 3年連続日本一を狙うソフトバンクは、楽天に3―7で逆転負けを喫した。打線は初回に内川聖一外野手(33)の適時打などで2点を先制。2回にも1点を加えたが、5年連続開幕投手の摂津正投手(33)が3回6失点と乱調だった。就任2年目の工藤公康監督(52)にとっては、2年連続黒星スタートとなった。

 絶好の流れはエースの乱調で暗転した。楽天・則本から3点目を奪った直後の2回だ。5年連続の開幕投手を任せられた摂津は突然、制御不能の状態に陥ってしまう。

 「3点取ってもらい、何もできなかった」

 2つの四球と安打で1死満塁とされ、藤田には高めの137キロ直球を左前に2点適時打される。続く嶋に四球を与え、再び満塁から岡島に左前へ逆転の2点適時打を食らった。さらに続く銀次に四球を与え、三たび、満塁とされると最後は明石の失策で5失点。試合後、緩急が少なかったことを問われると「それをできる余裕がなかった。申し訳ない。それだけです」とぽつり。3回にも1点追加され、7安打6失点5四球。4回以降マウンドへ立つ権利を失った。

 工藤監督は今季の大役に、昨季13勝を挙げた武田や9戦無敗のバンデンハークではなく、摂津を選んだ。オープン戦は3試合1勝1敗、防御率3・21だったが「彼は(開幕に)100%の力を出してくれる」とその経験値を優先した。摂津にとっては仙台は、生まれてから小2までとJR東日本東北時代の8年間を合わせ、人生で一番長く過ごしたふるさと。23日に仙台市内の焼き肉店で行われたチームの決起集会。治療を優先し、一人遅れて参加したのも「楽しみです」と話していた仙台での試合に万全で臨むためだった。

 この日、仙台市内は気温0・5度まで冷え込んだ。摂津がマウンドに立っている時間だけ、野手も酷寒の屋外球場で守備に就かなければならない。3回以降に放った安打はわずか1本。開幕戦では10年の日本ハム戦(札幌ドーム)でダルビッシュ(レンジャーズ)に13三振を奪われて以来、6年ぶりの2桁となる12三振を喫した。投打ともに空回りしていた。

 「開幕投手は先頭に立って勝てばチームの雰囲気は良くなるからね。先取点をもらったし、もう一踏ん張りしてほしいところはあった。甘く高くいきすぎてしまったね」と工藤監督も期待した分だけ、苦言を呈した。日本一3連覇を狙う出足はつまずいた。ただ、昨季も負けから始まっている。「さあ、あした。頑張るよ。あした」。指揮官は寒さを吹き飛ばすように最後に声を張った。(福浦 健太郎)

続きを表示

2016年3月26日のニュース