智弁学園8強一番乗り!「清宮世代」2年生4番・福元“適応力”弾

[ 2016年3月26日 05:30 ]

<智弁学園・鹿児島実>7回2死二塁、福元は左越えに2ランを放つ

第88回選抜高校野球大会2回戦 智弁学園4―1鹿児島実

(3月25日 甲子園)
 1回戦1試合と2回戦2試合が行われた。2回戦では智弁学園(奈良)が鹿児島実に逆転勝ちし、39年ぶりの8強を一番乗りで決めた。「清宮世代」の4番・福元悠真外野手(2年)が7回に左越え2ランを放ってダメ押しした。

 39年ぶりの春8強を決定付けたのは2年生4番・福元の一発だ。相手のミスにつけ込んで2―1と逆転した7回、なお2死二塁。鹿児島実のサブマリン・谷村の緩い変化球をしっかり呼び込んで、左翼席に叩き込んだ。

 「甲子園でホームランを打つのは夢だった。プレッシャーもあるけど4番らしくできた」

 チームとして、練習試合を含めて初めての下手投げとの対戦。小坂将商監督は「80%、下手が来る。外れたら俺の責任」と割り切り、打撃マシンの高さを最も低い位置に調節し、緩い球を打つ練習で4日間調整した。

 福元も対策を考えた。同学年の太田に相談。すると「俺、ノーステップでやってみるわ」と返事があった。「じゃあ、俺も」。あっさりと普段のすり足を捨てた。最初の2打席は凡退したが「打てる」と確信。6回の第3打席の左中間二塁打でタイミングをつかみ、7回の2ランにつなげた。高校通算は15号だが、中学以来というノーステップ打法でいきなりの本塁打。適応力は高校生離れしている。

 先輩の激励にも燃えた。2年前の春に甲子園で4番を打った巨人・岡本は幼少からの顔なじみ。小学生のとき、中学生だった岡本のティー打撃を見て「打球が違う。すげーな」と思った。初戦の前日には「頑張れよ」と電話もあった。以前もらった木製バットは宝物。自宅に飾ってある。

 昨秋は打順は下位だったが、今年の練習試合で5番、そして4番に抜てきされた甲子園で8打数4安打4打点の大暴れ。「清宮世代」の主砲は「智弁の歴史をもっと塗り替えたい」とさらなる高みを見据えた。(水口 隆博)

 ≪奈良勢春50勝≫智弁学園が勝ち、77年以来、39年ぶり3度目の春8強入り。奈良勢では08年天理(8強)以来8年ぶり。智弁学園の勝利で奈良勢は春50勝。

 ◆福元 悠真(ふくもと・ゆうま)1999年(平11)12月1日、奈良県生まれの16歳。小2から野球を始める。奈良?城ボーイズ時代に春の全国大会4強経験。智弁学園進学後は1年秋からベンチ入り。同近畿大会から背番号7。好きなチームは阪神。好きな言葉は「勇気一秒、後悔一生」。1メートル78、75キロ。右投げ右打ち。

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