“松坂2世”創志学園・高田 聖地デビュー149キロ!スカウト陣驚き

[ 2016年3月25日 05:30 ]

<東海大甲府・創志学園>東海大甲府打線を9回1失点に抑えた創志学園・高田

第88回選抜高校野球大会1回戦 創志学園5―1東海大甲府

(3月24日 甲子園)
 1回戦3試合が行われた。創志学園(岡山)は最速150キロ右腕・高田萌生投手(3年)が今大会最速の146キロをマーク。被安打7の6奪三振1失点完投で東海大甲府(山梨)を下し、待望の聖地初勝利を挙げた。

 敵が巨大なほど燃えるのが高田だ。最速150キロ右腕は強打の東海大甲府を相手に被安打7の1失点で完投。9回、福武を見逃し三振に仕留めた外角直球はこの日最速タイの146キロを叩き出した。巨人のスピードガンでは149キロが4球。終盤にグングン威力を増した直球と鋭い曲がりのスライダーで4併殺を奪った。“松坂2世”と形容される新スター候補が鮮烈デビューを飾った。

 「自分たちが初めての1勝をつかむんだと、そう思っていました。歴史をつくろうと。勝つことで恩返しにつながる」

 聖地初勝利に胸を張った。2回に先制点を献上。5回まで毎回安打を許したが、尻上がりに調子を上げた。6回以降は被安打1だ。巨人の山下哲治スカウト部長は「力強い球でしっかり腕が振れていた。後半は完ぺきな投球。素材的に楽しみ」と評した。「意識する」という東邦・藤嶋にも負けない輝きを放った。

 『萌生』の名には両親の強い思いが込められている。観戦した父・雅章さん(50)は「しっかり芽が出て強い人間になってほしい。まだ埋まったままですが…」と笑った。母・美恵さん(42)は「情熱は心の中。目標を決め、一つひとつ夢をかなえてきました」と証言する。小学校の時からノートに夢や目標を記してきた。150キロ、甲子園出場を実際にかなえてみせた。

 全身を使ったダイナミックなフォームは横浜高時代の松坂(現ソフトバンク)を想起させる。前夜は延長17回の激闘となった98年夏の準々決勝・横浜―PL学園戦の映像を見た。高田が生まれておよそ1カ月後、平成の怪物は春夏連覇の偉業を成し遂げた。「もっと腕が振れれば、球速はついてくる。勝てる投手に」。芽生えた確かな自信。憧れの人と同じ、春夏連覇の夢へ高田が走り出した。 (吉仲 博幸)

 ▼ヤクルト・小川淳司SD この大会で一番の投手。最初は硬さが見られたが、途中から本来の姿。体がしっかりしてくればスピードはもっと上がると思う。投手としていろいろな資質を持っている。

 ▼日本ハム・大渕隆アマスカウトディレクター 力強い球が来ている。ギュッと曲がるスライダーがいいね。打者に向かっていく姿勢もいい。集中して試合を管理している。

 ▼阪神・畑山俊二アマスカウト統括補佐 投球にリズムとテンポ、躍動感があった。スライダーは空振りが取れる。一つひとつの球にいいものがある。

 ▼DeNA・吉田孝司スカウト部部長 フォームが素晴らしい。高校生にしては出来あがっている。まだまだスピードは上がってくる。変化球は特にスライダーがいい。直球と同じ腕の振りで出てくる。十分候補になってくる存在。

 ◆高田 萌生(たかた・ほうせい)1998年(平10)7月4日生まれ、岡山県新見市出身。小3から「西方ソフトボール少年団」でソフトボールを始め、明徳義塾中では軟式野球部に所属し、一貫して投手。3年夏の敗退後、新見第一中へ。創志学園では1年夏から背番号11でベンチ入り。2年秋から背番号1。最速150キロ。持ち球はカーブ、縦と横のスライダー、チェンジアップ、フォーク。1メートル78、75キロ。右投げ右打ち。

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