東海大甲府 夏に雪辱を…25年ぶり春の聖地、エース松葉無念

[ 2016年3月25日 05:30 ]

<東海大甲府・創志学園>初戦に敗れ、甲子園を去る東海大甲府ナイン

第88回選抜高校野球大会1回戦 東海大甲府1―5創志学園

(3月24日 甲子園)
 今大会出場校で最長ブランクとなる25年ぶり5度目出場の東海大甲府(山梨)は、創志学園(岡山)に1―5で敗れ、山梨県勢は出場した4大会連続で初戦敗退となった。先発した松葉行人投手(3年)が5回に一挙4失点と攻略され、継投した菊地大輝投手(3年)も4回1失点で流れを引き寄せることはできなかった。松葉は悔しさを胸に夏の甲子園での雪辱を誓った。

 久しぶりに戻ってきた春の聖地で躍進することはできなかった。松葉と菊地の右腕2枚看板を軸に挑んだものの、創志学園に力負け。松葉は「正直悔しい。チームに迷惑をかけてしまった」と責任を背負い込んだ。

 昨年は菊地がつけていた背番号「1」を勝ち取り、真っさらなマウンドに上がった。4回まで無失点。しかし、5回先頭の藤瀬に左前打を浴びると「バントを警戒しすぎた」と続く小林に四球を与えて無死一、二塁。ここから味方の野選や2本の適時打などで一挙4点を失った。機動力が武器の相手にこの回だけで3盗塁を許し「足を絡めたチームとあまり対戦経験がなくて、てんぱってしまった」と唇をかんだ。

 自身3度目の甲子園。3回戦に進出した昨夏は救援で3試合に登板した。村中秀人監督が「練習の虫」と認める努力家。冬場は下半身強化に励み、体重は5キロ増の72キロ。投球練習もほぼ毎日行い、多い日には300球近く投げ込んだ。指揮官から「毎日、球数を投げた成果が出たな」とねぎらわれ、エース番号を託された。

 初回2死二塁から4番・高井に投じた3球目に最速を3キロ更新する138キロを計測。チェンジアップやスライダーなど変化球もさえ、初回の3番・難波から4者連続三振を奪った。練習の成果は随所に見られたが、5回6安打4失点で敗戦投手となり「変化球に頼りすぎた。最後まで投げたい気持ちが力みにつながった。粘り負け」と反省の言葉を並べた。

 6回からバトンを引き継いだ菊地も、反撃ムードを高めることはできなかった。8回1死二塁から高井に右前適時打を浴び、4回3安打1失点。昨夏の甲子園では3試合に先発し「甲子園に戻ってこられたことはうれしい」としながらも、「流れがくるかと思ったけど、そう甘くないですね」と悔しさをにじませた。

 県勢は04年の甲府工を最後に初戦敗退が続いている。村中監督は「5回の4失点が痛かった」と悔やみ「松葉は内容的には良かったし、菊地もそれ相応に投げてくれた」と評した。夏に向けて両右腕の成長が必要不可欠。それがチームのレベルアップにつながる。松葉は「このままでは背番号1を取られてもおかしくない。もっと力をつけて夏に悔しさを晴らしたい」と誓った。 (青木 貴紀)

 ▼鬼頭主将 チームとしてバントが決まらなかったり、ボール球に手を出したりしてしまった。まだまだ甘いと感じた。

 ▼原田 チーム全体でレベルアップしないと甲子園で勝ち上がっていけない。

 ▼川上 夏までに速い球に振り負けないように練習からしっかりやっていきたい。

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