土佐“最後の打者”土居 課題しか見えなかった春、夏もう一度甲子園に

[ 2016年3月24日 08:45 ]

<大阪桐蔭・土佐>7回、攻撃前に円陣を組む土佐ナイン

第88回選抜高校野球大会1回戦 土佐0―9大阪桐蔭

(3月23日 甲子園)
 悔しさだけが残った甲子園だった。優勝候補の大阪桐蔭と1回戦で激突した土佐は0―9で完敗を喫した。最後の打者となったのは土居凌太郎内野手(3年)だった。

 昨秋の四国大会後、三塁から二塁へコンバートされた。西内一人監督からは「細かい足の運びができるように」と説明された。三塁と二塁では打球の質、距離感が違うため、戸惑いの連続だった。不安を払拭するため、必死にノックを受けた。冬の期間は守備の基礎練習を繰り返した。

 大阪桐蔭の打者の打球は想像以上だった。2失策を記録し「球がちゃんと見えていなかった。しっかり練習しないといけない」と力不足を痛感させられた。

 高知南中2年時の5月、腰に激痛が走った。病院を回った結果、手術が必要と告げられた。同年11月に腰椎分離すべり症の手術を受けた。ベッドの上では「早く野球がしたい」と思い続けた。3年生となった5月から、野球の練習が普通にできるようになった。「あの頃から考えたら甲子園出場は想像していなかった。憧れの場所だった。でも、きょうは課題しか見えなかった」と振り返った。

 好投手・高山を打ち崩そうと、ホームベース寄りのラインギリギリに立った。内角を捨て、狙いは外角一本だった。結果は3打数無安打。「ストレートには振り負けんようにと思っていた。力んでしまった」と打ち損じのファールを悔やんだ。

 2時間20分の試合を終えた土居は言った。「夏はもう一度甲子園に戻ってこられるようにしたい」。攻守ともに課題が見えた。夏は成長した姿を見せる。(川島 毅洋)

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