球児 万全リハ!虎4914日ぶり100球超え “先発の壁”クリア

[ 2016年3月21日 09:55 ]

<神・オ>6回3安打2失点の藤川

オープン戦 阪神4-2オリックス

(3月20日 京セラD)
 阪神・藤川球児投手(35)が20日、オリックスとのオープン戦に先発して今春最多の106球を投げた。抑え時代にも武器にしたフォークボールを効果的に織り交ぜるなど6回を3安打2失点(自責1)。阪神では4914日ぶりの100球超えでも不安のない投球を演じ、予定される27日の中日戦(京セラドーム)へ万全の試運転を終えた。チームも21日の最終戦を前にオープン戦の“単独首位”に立った。

 万全のリハーサルを終えた。復帰後初の公式戦登板として予定する開幕3戦目、27日の中日戦と同じ京セラドームのマウンドで「先発球児」が躍動した。

 「京セラドームのマウンドの感触を確かめられたことは収穫。次のことを考えながらね。球数も投げられたので、いい準備ができたと思う」

 初回は約7割を直球が占める配球で滑り出した後、2回からは変化球の割合を半分まで増やした。右打者の内角をえぐるツーシームや115キロ前後の大きく縦に割れるカーブ、スライダーに加えて、内外角に鋭く沈むフォークを多投した。

 度々、中腰で構えた梅野に投げ込んだ高めの速球を「見せ球にした」と明かした。最大の武器とする「火の玉ストレート」で打者の目線を揺さぶり、低めに集めた変化球との高低差で翻弄(ほんろう)。2回はカブス時代(13年)の同僚だったボグセビック、5回2死一塁では4番モレルをいずれもフォークで空振り三振に仕留めた。

 「変化球中心の投球と決めていたので。(球数は)去年も(独立リーグで)投げているんでね」

 3回にドラフト1位・吉田正にソロ被弾して失策も絡んで2点を失っても、4回以降は無安打に封じた。98球に達した6回1死一塁ではマウンドを訪れた香田投手コーチに続投を志願した。

 「イニングの途中で降りたくなかった。後ろをやっていた時もそうだったし、後ろを考えてもそう。早い段階で降りるとクセになる」

 役割をまっとうし、今春最長の6回、同最多の106球を投げ抜いた。阪神での1試合100球超えは02年10月6日のヤクルト戦(甲子園)で先発して5回101球を投げて以来、実に4914日ぶり。大台を超えても「先発球児」に不安要素は見えなかった。

 金本監督にも順調な仕上がりを印象づけた。「きょうは目いっぱいみたいだったけどね、球数的に。106球か。次はもうちょっと行けるんじゃないかな、と彼(藤川)も言っていたから」。1週間後の同じ日曜日に迎える本番へ向けて深めた自信を指揮官には内々に告げた。「一試合一試合大事に。やるべきことをしっかり、やっていくだけです」。4年ぶりの猛虎復帰。先発投手として戦う準備は整った。 (湯澤 涼)

 ▼阪神・香田投手コーチ 僕がマウンドへ行ったのは、球数と状態を聞きにね。こちらは100球前後で考えていたから。本当にキャンプからしっかり準備してくれて、一つ一つ階段を上ってくれた。彼の体との相談だけど、先発ですからね、完投、完封を目指してほしい。

 ≪101球以来14年ぶり≫藤川が1試合100球以上を投げたのは、02年10月6日ヤクルト戦(甲子園)での101球以来14年ぶり。1軍公式戦では同年7月28日中日戦(甲子園)の111球が最多。なお昨年所属した四国・高知では初完投の8月29日香川戦で121球、初完封の9月7日香川戦で131球を投げている。

続きを表示

この記事のフォト

2016年3月21日のニュース