「コリジョンルール」導入の今だからこそ…見せて欲しい外野手の技

[ 2016年3月21日 09:15 ]

2010年8月、レッドソックス戦の2回1死、ベルトレの右翼への本塁打性の打球を好捕するエンゼルスのトリー・ハンター

 「スパイダーマンやな」。楽天の米村外野守備走塁コーチはそう言って、新人オコエら外野手にフェンス際のスーパープレーを期待したという。18日、球団は約30億円をかけ改修したコボスタ宮城を報道陣に公開。公園席に面した左中間フェンスが1メートル65センチと極端に低くなったためだ。この記事を見て、大リーグの「元祖・スパイダーマン」とも言うべき選手を思い出した。

 19年間のメジャー人生でゴールドグラブ賞を9度受賞し、昨季限りで現役を引退したトリー・ハンター(元ツインズ)である。02年のオールスター戦でバリー・ボンズ(現マーリンズ打撃コーチ)の本塁打性の当たりをジャンプして好捕し、MVPを獲得。何度となく「本塁打キャッチ」でチームを救い、「スパイダーマン」の異名を取った。メジャー通算353本塁打を記録した強打者でもあり、エンゼルス時代の10年には松井秀喜(現ヤンキースGM特別アドバイザー)と中軸を形成。気さくな人柄で愛され、「マツイにプレゼントしてもらったんだ」という五本指ソックスをうれしそうに履いていた。

 ハンターの外野守備でもう一つ特徴的だったのが、投げた後に必ず体ごと倒れ込む、ダイナミックな本塁への送球だ。全身の力を込めたような球で走者の生還を阻んでいた。本人にそういうフォームになった理由をたずねたこともあるが「何でだろう?勢いでああなるんだよ」と笑っていた。

 大リーグは昨年、守備、走塁を含めたフィールド上の選手の動き、ボールの速度などを計測できるシステム「スタットキャスト」を導入。強肩で定評のあるカルロス・ゴメス(アストロズ)やキーアマイヤー(レイズ)は昨季、本塁送球で100マイル(約161キロ)超えを記録した。おそらく、全盛期のハンターもマークしていただろう。

 プロ野球では今季、本塁での危険な衝突を防ぐ「コリジョン(衝突)ルール」を導入。走路や本塁をふさぐブロックが禁止されたことにより、攻撃陣が有利になるのは当然、予想されるところだ。しかし、守備陣が新ルールの前に簡単に屈してしまってはつまらない。外野手であれば、これまで以上にスピード、コントロールに磨きをかけた送球で、本塁上の攻防に挑む姿に注目したい。(記者コラム・大林 幹雄)

続きを表示

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2016年3月21日のニュース