掛布2軍監督が若虎に示す“ミスタータイガース”の模範

[ 2016年3月18日 11:45 ]

晴れ晴れとした表情で球場入りする掛布2軍監督

 「ミスタータイガースとは、かくあるべき」。阪神の掛布雅之2軍監督(60)が、注目される者としての振る舞い方の模範を若虎に示している。

 サングラスはレンズが透明なものを使用。「カメラマンが写真を撮るときに(レンズが)黒いと表情が分からないだろ」と悪印象を与えるおそれのある「黒サングラス姿」を避けている。また、日が差さないときには帽子のつばに乗せることはせず、後ろ向きにして耳にかける。「僕はタイガースと大きな契約をしているという気持ちがある。マークが隠れてしまうのは嫌」と説明する。そして、どんなに寒くても、試合中にグラウンド内へと足を運ぶ際には、グラウンドコートを脱いで「背番号31」を輝かせている。「阪神の背番号31の掛布」という“ブランドイメージ”を大切にし、その重要性を選手に示している。

 「ブランド力の向上」を2月の高知・安芸キャンプ中、選手に求めたことがあった。スター候補のドラフト1位・高山俊外野手(22=明大)に対してだ。ファンサービスの意味合いも含むランチ特打に、ウインドブレーカーを着たまま高山が臨もうとした際、脱ぐよう指導。ユニホーム姿で打たせた。

 「(背番号)9番といえばマートンではなく、高山なんだという雰囲気を早くつくらないといけない。そのためにもユニホームを着ておくってことは大切なことだと思う」

 現在、開幕スタメンを手中にしつつある高山に、ミスタータイガースの称号を背負う可能性を見出したからこそ指導したのであろう。

 15日に公式戦初陣を迎えた。ウエスタン・リーグ開幕戦の中日戦。2―9で敗れはしたものの、試合中の選手の全力疾走を評価し「やろうとしている野球をしてくれた」と笑顔を見せた。

 出塁チャンスを増やすために全力疾走を求めていることは確かだが、理由はそれだけではないと記者は感じている。なぜなら、掛布2軍監督は常に見られることを意識しているからだ。全力プレーでファンの心を動かすことも、ミスタータイガースを形成する要因の一つと言えるだろう。

 1軍の優勝に向けてまい進している背番号31は、ミスタータイガースの後継者育成にも力を注いでいる。(記者コラム・柳澤 元紀)

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2016年3月18日のニュース