またまた打った!横田君改め「横田さん」 金本監督絶賛、開幕1軍前進

[ 2016年3月11日 05:30 ]

<神・D>5回2死一、二塁、横田はこの日2本目となる適時打を放つ

オープン戦 阪神5-2DeNA

(3月10日 甲子園)
 またまた打って「君」から「さん」へと昇格や!入団3年目。1軍出場の経験がない阪神の20歳・横田が、いきなり見せ場をものにした。2回1死二、三塁の第1打席。三嶋の直球をしぶとく中前へと転がした。先制の2点適時打。「真っすぐを狙っていた。チャンスで打てたのでうれしかった」と声を弾ませた。

 これだけでは、まだ「君」のままだったかもしれない。さらに5回2死一、二塁。「(最初に安打が出て)多少は楽になった」という打席で、カウント2ストライクと追い込まれながら再び三嶋の直球を右前に運んだ。2安打3打点と、開幕1軍生き残りへ猛アピール。「きょうも打ったね」とご満悦の金本監督は、さらに独特な言い回しで「昇格」を認めた。

 「“横田君”から“横田さん”になった感じやね。冗談だけど、威張っているように見える。(打席での形も)さまになってきた」。君から、さんへ。指揮官は現役時代、阪神で同僚だった新井(現広島)を「新井さん」などと呼んでいじるのが常だった。いわば、愛情表現。生き残りへとガムシャラに突き進む背番号24。春季キャンプ当初は降格の危機にもいたが、そこからの成長を確かに感じ取っていた。

 「コーチに“今週が大事になる”と言われていた。結果にこだわって試合に入った」。チームは16日のロッテ戦(QVCマリン)から関東遠征。この日を含めた甲子園での3試合が、当落線上にいる若手にとってサバイバルの舞台となる。見事に結果を出した横田は、オープン戦7試合のうち6試合で安打をマーク。既に陽川、江越らライバルは2軍落ち。さらにこの日の2安打は外野の定位置を争うドラフト1位・高山が凡退した直後に打ったものだ。それでも「自分は自分。うれしいけど、どんどんアピールしていかないと」と貪欲に前だけを向く。

 横田の3打点の活躍で、チームはヤクルト、巨人に続いて同じセ・リーグの相手にオープン戦3戦3勝だ。スローガンは「超変革」。絶賛売り出し中の20歳の若虎も「さん」へと変貌を遂げた。 

 ◆横田 慎太郎(よこた・しんたろう)1995年(平7)6月9日、鹿児島県生まれの20歳。鹿児島実3年夏の県大会では決勝で樟南に敗れ、甲子園出場はなし。高校通算29本塁打。13年ドラフト2位で阪神入団。昨季は2軍で103試合に出場して9本塁打を放った。1メートル86、92キロ。左投げ左打ち。今季年俸720万円。

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