左へ右へ!ソフトB柳田、広角連発「40―40」へ視界良好

[ 2016年3月5日 05:35 ]

<ソ・神>3回2死一塁、柳田は左越え2ランを放つ

オープン戦 ソフトバンク3―3阪神

(3月4日 ヤフオクD)
 規格外の2発だ。ソフトバンクの柳田悠岐外野手(27)が4日、阪神戦に「3番・DH」で出場。3回にオープン戦1号となる左越え2ランを放ち、6回には2打席連続となる右越えソロを突き刺した。実戦20打席目に飛び出した今季初アーチは逆方向への驚がくの一発で、2発目は引っ張った豪快弾。昨年11月に受けた右肘関節手術のリハビリが続くが打撃は完調間近で、今季の目標に掲げる「40本塁打40盗塁」へ視界良好だ。

 左へ、右へ。いかにも柳田らしい、豪快無比な打球だった。3回2死一塁。メッセンジャーが投じた初球、外角高めの142キロ直球を捉えた。打球は左翼ポール際へ。対外試合出場8試合、20打席目にしてついに飛び出した今季1号だった。

 「いいスイングができた。タイミングが合ったので飛んでくれた」

 6回無死ではドリスの149キロ直球を、内角打ちのお手本のような体に巻き付くスイングで右翼中段に叩き込んだ。ソフトバンクの王貞治球団会長も「2本目はかなり大きかったね。ファンの人たちがビックリするホームランは価値が大きいよ」と絶賛した、圧巻の2打席連発。ヤフオクドームでの1試合2発は、トリプルスリーを達成した昨季もなかった。今季目標の「40本塁打40盗塁」に向け、最高のデモンストレーションとなった。

 宮崎キャンプを終え、福岡に戻ってから調子は上昇中。支えとなっているのが、1月7日に生まれたばかりの第1子である長女の存在だ。「めっちゃ可愛い」。誕生直後にグアム自主トレに旅立ち、2月は宮崎キャンプ。会えない日々が続いたが、ようやく天使の笑顔が見られる毎日がやってきた。「お風呂にも入れてますよ」。まだ首が据わっておらず、新米パパはおっかなびっくり。それでも柳田にとってはパワーの源。「イクメンプロ野球選手」として喜びをかみしめている。

 昨年11月に手術した右肘関節のリハビリは続いており、守備の練習はまだできていない。侍ジャパンも辞退した。柳田は出場に意欲を見せ、侍ジャパンの小久保監督からも「DH限定」での出場を打診された。しかし工藤監督と話し合い、最終的に断りを入れた。

 「早く守備に就きたいけれど、焦ってチームに迷惑はかけられない」。日の丸のユニホームに袖を通せず、さらにDHでの出場が続く。走攻守でレベルの高いパフォーマンスを見せたい柳田には、不完全燃焼の毎日だろう。それでも、目覚めの2発でバットがひと足先に好調モードに入ってきたのは確かなようだ。(田中 貴久)

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