大谷OP戦で出た162キロ!「どれだけ押し込めるか試したかった」

[ 2016年3月3日 05:30 ]

<日・巨>自己最速タイの162キロをマークした大谷

オープン戦 日本ハム3―6巨人

(3月2日 札幌ドーム)
 開幕前なのに162キロを出しちゃった。日本ハムの大谷翔平投手(21)が2日、巨人とのオープン戦に先発し、5回2安打無失点。本拠・札幌ドームでのオープン戦初登板で毎回となる8三振を奪った。4回には4番のギャレット・ジョーンズ外野手(34)への2球目に自己最速タイで、プロ野球記録の162キロを計測。ここまでの実戦3試合で計10回を連続無失点中。4年目を迎えた二刀流右腕に死角は見当たらない。

 表情が明らかに変わった。4回2死無走者で、打席には4番・ギャレット。メジャー通算122本塁打を誇る元ヤンキースの強打者に対し、大谷が力を解き放った。初球に160キロで空振りさせると、続く2球目は自己最速でプロ野球記録に並ぶ162キロ。再びバットに空を切らせ、最後は148キロの高速フォークで空振り三振を奪った。

 「2アウトでしたし、外国人の打者。真っすぐを待っている中で、どれだけ押し込めるか試したかった」。開幕までまだ20日以上も残す3月初旬。昨年までのオープン戦最速は157キロだった。調整段階で初めて160キロを超えたばかりか、2年ぶりの162キロである。「力試し」のターゲットに定めたのは、前日一発を放った巨人の新外国人。2回の第1打席も3球続けて直球で押し、最後はフォークで空振り三振を奪った。2打席とも直球で追い込み、決め球は落差のあるフォーク。大谷の必殺パターンだ。

 「力を入れた時にコースも高さもきっちりいった。力を出したい時に(球速を)出せるかどうか。偶然よりも価値がある」。5回を2安打無失点、毎回となる8奪三振。37球投じた直球は全て150キロを超えた。わずか68球で無四球と制球も抜群で、ストライク率は実に61・8%。「何とか80球以内で5回を投げたかったのでよかった」と満足そうに振り返った。

 「ある程度コントロールした中でもこういう球が投げられた。それが昨年とは違う部分。そのためのフィジカル強化だった」。このオフ最大の変化は体重の大幅な増加。きっかけは昨年12月に都内のジムで行ったレンジャーズ・ダルビッシュとの合同練習だ。練習メニューをつくってもらい、トレーニング法やサプリメントの摂取方法について助言を受けた。体重が昨年11月のプレミア12時の94~95キロから一時102キロまで増量。現在は筋肉量を維持したまま96キロまで絞り込んだ。パワーアップを証明した162キロ。シーズンでの自己最速更新に期待も高まる。

 同じ左打者として憧れだった巨人・高橋監督の前での快投劇。昨年3月3日のオープン戦では現役だった指揮官から2本の二塁打を浴びたが、一段と成長した姿を見せた。「(体重増で)体を扱う上でもっと難しいと思っていた。まだまだいけると感じている」。2年連続開幕投手を務める21歳の怪物は、どこまで進化するのだろうか。(柳原 直之)

 【大谷の過去162キロ】
 ▽オールスター第2戦(14年7月19日、甲子園)全パの先発を初めて務め、初回全セの1番・鳥谷への2球目、真ん中高め速球が自身初の162キロを計測。バットをかすめたファウルとなった。同じ初回、5番・阿部の初球でも162キロを出した。

 ▽公式戦(14年10月5日楽天戦、札幌ドーム)稲葉の引退試合となったシーズン最終戦に、CSに備えて2回限定の予定で先発。初回先頭の銀次に対し内角低めへの2球目が、08年クルーン(巨)と並びプロ野球公式戦最速の162キロを計測。バットを真っ二つに折り、二ゴロに打ち取った。その後榎本、藤田の打席を合わせ、4球が162キロだった。

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