マー君 3・14OP戦初登板濃厚に 米最多ブルペン61球

[ 2016年3月1日 05:30 ]

ヤンキースの田中(AP)

 ヤンキース・田中将大投手(27)の今季オープン戦初登板が13日(日本時間14日)のフィリーズ戦となることが28日(同29日)、濃厚となった。この日はキャンプ中のブルペン投球としてはメジャー3年目で最多の61球の熱投。右肘の骨片除去手術明けで慎重に調整を進めてきたが、打者相手の投球に移行する前の最終仕上げに手応えを示した。オープン戦4試合登板を経て、2年連続開幕投手への道のりがはっきり見えてきた。

 制球重視で直球を中心に20球投げ終え、約2分間のインターバルを挟んだ後だった。明らかに田中のギアが一段上がった。そこからノーワインドアップで17球、セットポジションから8球を投げ終えたところで予定していた45球に到達。すると、田中は打席に立って球筋を確かめていたラリー・ロスチャイルド投手コーチに「おかわり」を要求し、追加で16球を投げた。

 「みんなびっくりしていましたよ。こっちだとあり得ないから。もうちょっと投げてもよかったけど、ラリーの目が怖かったので」。田中はそう言って、いたずらっぽく笑った。メジャーでは通常、ブルペン投球は時間で区切られ、35~40球程度。田中もこれまで最多は1年目の44球だった。

 異例ともいえる61球の熱投は、打者相手の投球に移る前の最終仕上げを意味する。「今までにないくらい力を入れて投げてみた」と球筋はばらついたが、「気持ちの部分でガッと入っていくような感じもあった。試合モードに近づいていけている感じはある」。気持ちの面でも準備OKだ。

 今後はフリー打撃、シート打撃と打者相手の投球に進むが、中4日の間隔で行くと、オープン戦初登板は13日(日本時間14日)のフィリーズ戦が濃厚。メジャー初の開幕投手を務めた昨季も、3月12日の初登板を皮切りに4試合に登板して開幕戦に臨んだ。今季もオープン戦は4試合の登板になる見込みで、4月4日(同5日)のアストロズとの開幕戦に向けての道のりが見えてきた。

 昨年10月に右肘骨片除去手術を受けた田中は「無理に最初に合わせて、あとを棒に振ってもしょうがない」と慎重な姿勢は崩さない。だが「腕を振って投げる球も増えたので、もちろん前進はしている」と手応えも確か。あとは開幕へ、順調に歩を進めるだけだ。(タンパ・東尾 洋樹)

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2016年3月1日のニュース