ブロック禁止でハム新守備 1点取らせて2死を得る

[ 2016年2月29日 09:00 ]

<広・日>3回、無死一、三塁、ルナの右犠飛で生還する三走・田中(左)と送球を前に出て捕球する大野

練習試合 日本ハム1―6広島

(2月28日 コザしんきん)
 肉を切らせて骨を断つ――。今季から適用される本塁での危険な衝突を防ぐ「コリジョン(衝突)ルール」。捕手がブロックなどで走路をふさぐことができない中、日本ハム・大野奨太捕手(29)が広島との練習試合で本塁上のクロスプレーを避け、一塁走者の二塁進塁を防いだ。1点は捨て、確実にアウトを増やしたプレー。この好判断が新ルールによって変わる野球を象徴していた。

 3回無死一、三塁。ルナの放った飛球は右翼定位置より、やや前めだった。三塁走者の田中がタッチアップ。捕球した石川慎は迷わず本塁に送球した。クロスプレーのタイミングだった。

 本塁送球を見て一塁走者の丸も二塁へ向かった。「今までなら捕手はホームにくっついている」と体が反応し、タッチアップした。ところが、大野は送球が少し浮いたのを見ると、田中が還ってくる本塁を空けた。マウンドの横まで前進。ノーバウンドで捕球し、二塁へ送球。見事に丸をアウトにして併殺となった。

 これで2死走者なし。大量失点の可能性もあったイニングを1失点に食い止めた。大野が振り返る。「本当にアウトのタイミングじゃないと(本塁補殺には)いけない。際どいプレーはノーチャンス」。これまでなら体を張ったブロックで無失点を狙ったかもしれない。今季から適用された「コリジョンルール」で捕手はブロックなどで走路をふさぐことが禁止となり、追加点を防ぐことを優先した形だ。

 この日は広島の守備でも似たケースがあった。3回1死一、二塁。陽岱鋼(ヨウダイカン)の中前打に対し、丸は本塁ではなく、三塁へ送球した。二塁走者は足の速くない大野で一塁走者は俊足の中島だが、確率の低い本塁での補殺を狙わず、中島の三塁進塁を防ぐプレーを選んだ。

 コリジョンルールにより、三塁走者の生還率は格段に上がることが予想される。大切なのは三塁まで進めないことで「1点を与えないプレーより、与えない準備が必要になる」と大野。日本ハムの白井内野守備走塁兼作戦コーチは「(大野が選択した)ああいうプレーは増えてくると思う」と想定し、栗山監督も「一つでも進塁を阻止するという意識は出てくる。本塁は捨てるのがいいのか、それはこれから」と今後の課題とした。

 新ルールの適用は、大胆さや勇気より、緻密な計算と判断力を求めることになりそうだ。(君島 圭介)

 <コリジョンルール>プロ、アマ合同の日本野球規則委員会が今年1月に公認野球規則に本塁上の衝突プレーを禁じる規定を追加した。昨年の米国でのルール改正にならった変更。走者が守備側へ故意に接触しようとした場合にはアウトとなり、守備側が球を保持していない状態で走者の走路をふさいだ場合は、得点が認められる。これに伴い、セ、パ両リーグは今季から本塁上のクロスプレーにビデオ判定を導入する。

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