ダル 大谷に肉体改造助言の理由激白 瞬発性「うらやましい」

[ 2016年2月27日 05:30 ]

日本球界発展のため、大谷(右)に自身の経験を伝える重要性を力説したダルビッシュ

 日本球界の未来を託した。レンジャーズのダルビッシュ有投手(29)が25日(日本時間26日)、日本ハムの後輩で、背番号11の後継者でもある大谷翔平投手(21)の潜在能力や二刀流の是非などについて激白した。昨年12月に初めて合同トレーニングを行い、自身の助言で大谷は肉体改造に成功。その経緯や理由を詳細に明かした上で、球界の発展のためには、今後も次代の選手に経験を惜しみなく伝えていく考えを示した。

 ダルビッシュが、日本球界を背負う立場へと成長した後輩への思いを熱く語った。練習前のクラブハウス。右肘じん帯再建手術から順調にリハビリをこなしている右腕は、話題が大谷との合同トレーニングに及ぶと、その経緯から話し始めた。

 「NPBアウォーズ(11月25日)の後にご飯を食べて、後日またご飯を食べた時に“泊まっていけよ。あすトレーニングするよ”と。6、7回一緒にやってる。もっとかな。栗山(監督)さんにもちょっと見ますと」

 中田も加えた初めての合同練習は、昨年12月1日に都内のジムで行われた。ダルビッシュはそこで、大谷に体を大きくするトレーニング法やサプリメントの摂取の仕方について助言。「参考になった」と言う大谷は、体重が昨年11月のプレミア12時の94~95キロから一時102キロ(現在は96キロ)まで増量した。

 「どこの筋力が弱いのかを見て、メニューを作った。僕が2010年ぐらいに大きくしたのとは訳が違う。あの時は単純に食べて、トレーニングして…。栄養の取り方とか確立されていなかった。でも今はある程度、答えというところに来ているので、僕の答えを伝えた。だから彼は最短で体重が増えた」

 今年、日本ハムは米アリゾナ州ピオリアで1次キャンプを実施し、大谷はダルビッシュの自宅を訪問。今でも無料通信アプリ「LINE」でサプリメントの量などを質問してくるそうで、「師弟関係」は続いている。同じ背番号11。その体形からも比較されることが多い2人だが、ダルビッシュ自身は調整能力が売り物であるのに対し、大谷は瞬発性の筋肉を元から持っていると断言する。

 「そこは全く違う。大谷は筋力値が凄く高く、瞬発力に優れているから球が速い。そのことはうらやましい。でも僕みたいな調整力とか、細かいところはタイプではない。あとは必要なのは細かい感覚で、そこを磨くことが大事」

 天性の筋肉に、自身の知識が加わった16年型ボディー。大谷への期待を示す一方で、日本球界の発展のためには、次の世代に経験を伝えることも重要だとした。

 「僕はここまで遠回りしてきたけど、その分だけ引き出しがある。だから後輩に聞かれても答えられる。大谷にはそれがない。日本球界の発展を目指すなら、選手個人が後輩に伝えていかないと。そこは追い求めてほしい。僕は大谷だけでなく、誰でも一回会って、僕の言っていることを反映させていると分かったら、その後も時間は取ります」

 4年目を迎えた二刀流についても語った。

 「やりたければやればいい。自分の人生だから。僕だったら、どっちかに絞る。なるべく上に行きたいという考えだから。2つやることは上に行く確率が減る」

 最後はダルビッシュらしい言葉で締めた。(サプライズ・奥田 秀樹通信員)

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