紅白戦大炎上も…ハム上原が秘める無限の可能性 言語力も魅力

[ 2016年2月25日 09:00 ]

20日の紅白戦の初回、8失点を喫した上原。左は渡辺

 2月20日。沖縄・国頭で行われた日本ハムの1、2軍合同の紅白戦。先発したドラフト1位の上原(明大)にとって、あまりに残酷な結果となった。初回。打者11人に対し、大谷の2点三塁打など4連打を含む8安打を浴び、なお1死一、三塁。ここで1メートル90の長身左腕はベンチへ下がり、同時に攻守も交代。1/3回を8失点。投手コーチの判断で強制終了となった。

 かける言葉はなかなか見つからない。だが、今だからこそ、あえて言いたい。無限の可能性。上原にはこの言葉がピッタリ当てはまる。1メートル90、85キロという堂々とした体格。遠投は120メートルを投げ、50メートル走は5秒68で走る。3年目の岡は明大の2学年上の先輩で、同じく抜群の身体能力を持つことで知られるが、上原は「(大学時代に)50メートル走か100メートル走でガチンコ勝負をしたんですけど、一回も負けたことはなかったですね」と振り返る。さらに大学関係者は「打撃も凄く良いから見てほしいですね」とも言い、球団OBの糸井(現オリックス)をもほうふつとさせる「超人」だ。

 広陵(広島)―明大と野球界のエリートコースを歩んできたが、そのルーツは中学まで過ごした沖縄。3歳から水泳を始め、小学校時代は「タグラグビー」、中学時代はバスケットボール部に交じって汗を流したこともあった。陸上にも精を出し、小学6年ですでに100メートル走を11秒8で走り、ソフトボール投げは80メートルを記録した。「(沖縄の)地区大会で2位、3位とか。1位にはなったことはなかったです」と謙そんするものの、野球だけでなく、自由にいつでも、何にでも取り組める南国の環境が上原の潜在能力を育んだ。

 これまでの道のりは、平坦ではなかった。野菜や果物が嫌いで、カップラーメンやお菓子が大好きという「偏食」。不摂生がたたり、大学2、3年時には指先の血行障害に悩まされ、「ボールを投げることができない状態になった」。ただ、それからは明大・善波達也監督から毎食のように食生活のチェックが入るようになり、4年時から毎日、野菜ジュースを飲む生活を続けた。「(野菜は)味がないのが好きじゃなかった。でも、今ではむしろ野菜を食べないと気持ち悪いというか…。良い習慣になりつつある」。いつの間にか血行障害は完治し、伸びのある直球を取り戻した。

 報道陣に対する対応では質問の意図をくみ取り、丁寧に相手に伝える。その「言語力」にも魅力がある。プロの壁にはね返され、どん底まで叩きのめされたが、あとは這い上がるのみ。上原の爽やかな笑顔が、北海道のファンをとりこにする日もそう遠くはないと信じている。 (記者コラム・柳原 直之)

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