福留 レーザービーム健在!観衆“どよめき”も「普通だよ」

[ 2016年2月18日 08:20 ]

右前打をさばいて三塁に送球し、補殺を決める福留

 今年もレーザービームは健在だ。阪神・福留が今キャンプ初の実戦守備につき、昨季ゴールデングラブ賞受賞の貫禄を見せつけた。シート打撃で右翼を守り、1死一塁想定で打者・新井が放った右前打を猛ダッシュで捕球、ワンバウンドのストライク送球で、一塁走者の北條を三塁で刺した。

 「打球も追っているし、特に問題ない。(ワンバウンド送球は)普通だよ」

 少ない言葉の端々から、王者の風格が漂う。三塁手のグラブへ吸い込まれるように飛び込んだ正確無比の送球に、スタンドがどよめいた。鋭い視線を送った他球団の偵察部隊も口を揃える。中日の佐藤スコアラーは「昔みたいな矢のような、というよりも、正確に、(相手が)取りやすいように投げている。さすがです」。ヤクルトの西沢スコアラーは、「送球は今までと同じ。福留選手は、とにかくポジション取りがうまい」と今季も要警戒とした。

 勝負強い打撃がクローズアップされがちだが、これまで、福留の堅守が何度もチームを救ってきた。昨季は外野手として133試合に出場し、脅威の失策ゼロ。6月2日のロッテ戦では、同点の3回2死二塁から今江の右前打を猛ダッシュで処理した後は、即座に本塁へワンバウンド送球を決めた。さらに、堅実な守備に加えて、トリックプレーもある。同4月1日のヤクルト戦では、8回1死一、二塁で川端の大飛球に捕球態勢を取ったことで二塁走者を惑わせてスタートを遅らせ、本塁で仕留めてみせた。

 外野陣には若手のレギュラー候補が多く控えるが、金本監督が絶大の信頼を置いていることを示すように、福留の右翼だけは確約されている。シーズン中も、中堅に入った江越、伊藤隼らに何度もアドバイスを送るなど、リーダーシップも際立つ。まったく衰える気配はない背番号8が、今季も甲子園の外野陣をけん引する。(湯澤 涼)

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2016年2月18日のニュース