【大野豊の目】黒田の言葉「打者との距離を変えたい」の意味

[ 2016年2月18日 09:30 ]

新球チェンジアップを試投するなどブルペンで66球を投げ込んだ黒田

 広島・黒田の言う「打者との距離を変えたい」との言葉は、打者のタイミングをずらしたいとの意図だろう。

 黒田の球種はツーシーム、カットボール、スプリットにしても速く細かい変化で、時折カーブは投げるが、タイミングをずらす球種はスライダーに頼る形だった。

 大リーグの打者は強いスイングをするが、日本の打者はミートしてくる。細かい変化だけだとファウルに逃げられることも多い。「1球でも少なく」の黒田スタイルを実践する上でも、打者のタイミングをずらす球種があれば、投球の幅は広がる。

 前田がドジャースに移籍。黒田にかかる比重はおのずと増す。年間を通じての体調維持を考えても、抜く球を投げる意味はある。プロ野球選手である以上、年齢を重ねても、これでいいという部分はない。自分を知り、相手を知った上で、さらに投球の幅を広げようとする姿は素晴らしい。(スポニチ本紙評論家)

続きを表示

この記事のフォト

2016年2月18日のニュース