“ハマのシンノスケ”ドラ4戸柱 左対左2ラン 開幕スタメンあるぞ

[ 2016年2月14日 06:20 ]

<ヤ・D>5回2死三塁、戸柱が右越えに2ランを放つ

練習試合 DeNA4―3ヤクルト

(2月13日 浦添)
 打った瞬間、それと分かる強い打球だった。DeNAのドラフト4位捕手・戸柱(NTT西日本)はダイヤモンドを一周すると、ラミレス監督と笑顔でハイタッチを交わした。初の対外試合で初安打が右越え2ラン。「とても緊張していた。(本塁打は)正直、全然覚えていない。一球一球食らいついていった結果です」。無我夢中だった。

 0―2の5回だ。「自分のスイングができればいいと思っていた」。2死三塁、1ボール1ストライクから、左腕・久古の甘く入ったスライダーを叩いた。左対左を克服した同点2ランで、それまで1安打と抑えられていた空気を一変させた。

 キャッチングと強肩が売りで、新人ながら今季初の対外試合でスタメンマスクを託された。昨年11月の入団会見ではラミレス監督に「シンノスケ!」と話しかけられた。同じ背番号「10」で左打ちの巨人・阿部のように活躍してほしいとの期待からだ。今キャンプでも指揮官から連日のように直接指導を受け「阿部をほうふつさせたよ」と褒められたこともある。ある日、左方向を意識した打撃を行っていた時、指揮官から「逆方向を気にするな。内のさばきがないと打てない」とアドバイスを受けた。前日は最後まで球場に残りマシン打撃を繰り返し、思い切って引っ張った一発につなげた。

 守備でも魅せた。ラミレス監督が2、4、6回はベンチからサインを送ったが、それ以外の回で対戦した4番・バレンティンを定評ある配球で3打数無安打に封じた。指揮官は「恐れることなくインハイを要求できていた」と評価した。

 新人10選手で最年長の25歳。昨年11月には結婚し、守るべきものもできた。「きょうだけではない。競争なので、チャンスを生かせるように一試合一試合必死にやっていく」。正捕手争いの先頭をこのまま開幕まで走り抜ける。 (中村 文香)

 ◆戸柱 恭孝(とばしら・やすたか)1990年(平2)4月11日、鹿児島県生まれの25歳。鹿屋中央から駒大を経て、NTT西日本では2年目の14年に都市対抗、日本選手権で計7打点の活躍。同年の社会人ベストナイン(捕手部門)を受賞した。15年ドラフト4位でDeNA入団。二塁送球1・9秒台の強肩が武器。1メートル78、88キロ。右投げ左打ち。

 ≪開幕先発マスク 横浜新人過去0≫DeNAの新人野手で開幕戦に先発出場したのは昨年倉本(7番・遊撃)まで11人(前身球団を含む)。守備位置別の内訳は内野7人、外野4人となっており、捕手で先発出場なら球団史上初めてだ。プロ野球全体で新人捕手の開幕戦先発出場は06年炭谷(西)が最後。セでは01年阿部(巨)以来おらず、戸柱が先発マスクをかぶればリーグ15年ぶりになる。

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