金本監督 主将・鳥谷の“超変革”に手応え「変わりつつあるのかな」

[ 2016年2月9日 06:20 ]

大声を出して練習を盛り上げる鳥谷。右は大和

 主将の「超変革」に手応えあり!阪神の金本知憲監督(47)が沖縄・宜野座キャンプ第2クール3日目の8日、自己変革を求めていた鳥谷敬内野手(34)の姿勢について、「変わりつつある」とうなずいた。鳥谷が西岡とともに行った特守を見守り、その変化に頬を緩めた。キャプテンの変革によって生じた、チームの雰囲気の変化も実感。「行動も言動も成績も全部で引っ張って行ってほしい」と大きな期待を寄せた。

 この男の変化が何よりも嬉しく、頼もしい。左胸に「C」を付け、背番号1を背負う攻守の要。キャンプ初日から精力的に声を出し、時にヤジを飛ばし、藤浪や陽川ら若手にアドバイスも送る鳥谷の姿に、金本監督が目を細めた。

 「トリは、そうね…。シートノックでも、いろいろヤジったり、声出したり。変わりつつあるのかなと。(キャプテンの自覚を)当然、持ってもらわないとね。それ(期待)に応えてくれようとは、してくれているんでね。彼自身が変わろうとしてくれていることは、すごく助かる。助かると言えば語弊があるけど、本当に。行動も言動も成績でも、全部で引っ張って行ってほしい」

 昨秋の監督就任直後から、チームだけでなく鳥谷の「超変革」もテーマに掲げてきた。昨年10月下旬に行った個別面談の席上では「おまえが変わらなければ、チームは変わらない!」と本人を直接、叱咤(しった)。その後のオフ期間も、新聞紙面などを通じて自己変革を求めてきた。そんな指揮官のゲキに「できるなら全部、変わりたい」と呼応していた鳥谷。その言葉にウソはなかった。

 これまでの鳥谷に、元気がなかったわけでもない。ただ表に出すことは少なかった。だからクールなイメージが付きまとった。だが、今キャンプは違う。背中だけでなく、言葉、プレーでも周囲に語りかけている。

 この日は西岡とともに特守を敢行。約40分間、132球のノックを受ける間も大きな声を出し、笑顔を見せた。後方で練習していた梅野、小宮山らにも声を掛けるなど、広い視野でチームを盛り上げた。まさに指揮官が掲げる「明るく厳しく」をチームの先頭に立って実践している。

 「今言ったトリとかWリョウタ(新井、今成)がしっかり声を出してくれているから、ゴメスも乗って、すごい前向きなシートノックをしている。本番でそういう気持ちとか前向きな、今やっているような勢いに乗って声を出しながらやるプレーが出るようにね。前向きに(走者を)殺しに行くんだ、(打球を)止めるんだ、という(プレー)ね」

 指揮官はキャンプ8日目にして、早くも「鳥谷効果」によるチームの雰囲気の変化も感じ取っていた。鳥谷が変われば、チームも変わる―。「超変革」は、着々と進行中だ。 (惟任 貴信)

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2016年2月9日のニュース