「職人」銀次 バックスピンかける練習 レフト前に詰まって落とす

[ 2016年2月7日 09:40 ]

銀次が前方のネットに向けて打ち込む

 卓越した技術があってこその練習法である。楽天・銀次がキャンプ中、毎日居残りで行う打撃練習。約30メートル先に1メートル四方の穴が開いたネットを置き、その穴にティー打撃で打球を入れる。センター方向に強く低い打球を打つには「バットの軌道や下半身の使い方を覚えることが必要」と考え、3、4年前から始めた。

 「確率は10回に1回くらい」という難度で、この日も154スイングで穴に入ったのは12球。嶋が隣で同じ練習に取り組んでいるが「バットの軌道や角度が合わないと入らない。僕は20、30スイングで1球ぐらい。あいつは凄い」と舌を巻く。

 だが、銀次の「打撃職人」ぶりが発揮されるのは、ここからだ。今年は、ゴルフのアプローチショットのようにバックスピンをかけて狙う練習も始めた。バックスピンをかけるにはボールの下側を打たなければならない。当然、普通に打つよりも難しい。「内角球が来た時、ファウルにできるし、レフト前に詰まって落とせる」のが狙いだ。

 イメージするのは昨年4月14日の西武戦(西武プリンス)。8回2死二塁で増田の内角直球をわざと詰まらせて三塁手後方にポトリと落とし、適時打とした。「体が覚えていれば、どんなボールが来ても対応しやすくなる」。納得する打球が入るまで、何度も何度もバットを振る。量と質。首位打者、最多安打の2冠を目指す男にとってはどちらも必要不可欠だ。(徳原 麗奈)

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2016年2月7日のニュース