守護神候補マテオ、ベール脱いだ!剛腕の触れ込みも制球力抜群

[ 2016年2月4日 07:03 ]

初ブルペンで力投するマテオ

 守護神候補がベールを脱いだ。阪神の沖縄・宜野座キャンプ第1クール3日目の3日、マルコス・マテオ投手(31=前パドレス)がキャンプ初のブルペン入りを果たした。剛腕という触れ込みだったが、投げた44球のほとんどがストライクという抜群の制球力で首脳陣や他球団の007を驚かせた。

 梅野の構えたミットに糸を引くようなストレートが収まる。キャンプ3日目でついにブルペンに姿を現したマテオ。これが日本で初めての投球練習とは思えないほど精度の高い制球を見せつけた。最速160キロを自称するドミニカ共和国人右腕は、実は「精密機械」でもあった。

 「とても良い調子で来ているよ。ストライクを投げろと言われたら投げるし、ボールを投げようと思えば投げられる。コントロールには自信があるからね」

 投球フォームも外国人助っ人にありがちな我流のものではなく、無駄な動きの少ない投げ方。スリークオーターの腕の位置から回転の良いボールをテンポ良く44球投げ込んだ。受けた梅野も「よくまとまっていたし、日本人ぽい。きれいな回転という印象が強かった」と証言した。メジャーでも通算70試合で71回2/3を投げ与四球30と制球で大崩れすることはないデータもある。

 鋭い視線を送った他球団の偵察部隊も一様に口をそろえた。中日の佐藤スコアラーは「テンポも良いし、コントロールが良い。投げ方も力任せじゃない」と警戒。ヤクルトの西沢スコアラーも「角度があるタイプじゃないけど、球質が一定している。自滅しそうな感じはしない」と話した。

 「きょうは80%ぐらいの力」という球威はこれから上がってくることは確実。香田投手コーチは「メカニズム的にも良い投げ方をしている。きょうのブルペンはすごく良かった」と絶賛し、14日の紅白戦での実戦デビューも決まった。

 金本監督は「右打者は打ちにくそう。右打者はノーチャンスに近いんじゃない。(制球の良さ)がどっちに出るか。制球が良いと分かると、打者が腰を引いてくれないからね」と評価した。真価が問われるのは実戦に入ってからだが、常時150キロ以上という直球と得意のスライダー、加えてこの制球力となれば、期待は高まるばかりだ。(山添 晴治)

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2016年2月4日のニュース