大谷“脱力”40球も…パドレス新監督絶賛「シリング思い出した」

[ 2016年2月3日 05:41 ]

アリゾナとは思えぬ極寒と雨の中、キャンプ初日のブルペンでゆったりとしたフォームで投球練習を行う大谷

 メジャー流で発進!日本ハムは1日(日本時間2日)、時差の関係で12球団最後にキャンプイン。4年目の大谷翔平投手(21)はブルペン入りし、投球フォームを念入りに確認しながら軽めに40球を投げた。明らかに力をセーブした調整は、2年連続の開幕を見据えたもの。それでも、視察した元日本ハムで、パドレスのアンディ・グリーン新監督(38)は通算216勝右腕の剛腕カート・シリングを引き合いに出し、能力の高さにほれ込んだ。

 憧れの米国でのキャンプイン。しかし、ブルペン入りした大谷の投球はまるでキャッチボールのようだった。ゆったりと足を上げ、またゆったりと腕を振る。

 「全部が全部、思い切り投げることが頑張ることではない。一番、ベストな練習の方法を選択するのが、頑張るということ。そこだけを間違えないようにしたい」。直球に変化球を交え40球。自主トレ期間から4度目のブルペンだが、全てが「脱力投法」だ。昨季までと明らかに違う調整法について「(オフに)傾斜であまり投げていなかったので、傾斜で投げてバランス良くということ」と狙いを説明した。

 この大谷の姿に視線を送る人物がいた。07年に日本ハムでプレーし、球団施設を提供しているパドレスで今季から指揮を執るグリーン監督だ。「米国では、投手はゆっくりと自分の感覚を確かめながら進めていく。大谷も力を入れるのではなく、ロケーション(制球)を確かめていた」。緩やかな曲線を描きながら開幕に向かっていくのがメジャー流の調整だ。それでも終盤にはギアを少し上げた。全力投球の5割程度だが、グリーン監督はその能力にほれ込んだ。「腕の振りがスムーズ。現役時代のカート・シリングを思い出した」。メジャー屈指の剛腕。同監督にとってはダイヤモンドバックス時代の同僚でもある。今季初実戦は、早ければ8日(日本時間9日)の韓国・ロッテとの練習試合(ピオリア)を予定。緩やかにペースを上げ、3月25日の開幕・ロッテ戦(QVCマリン)へ突き進む。(柳原 直之)

 ◆カート・シリング 100マイル(約161キロ)に迫る速球とスプリットが武器の剛腕。ダイヤモンドバックス時代の01年はランディ・ジョンソンとの両輪でチームを初の世界一に導き、ワールドシリーズMVP。レッドソックスに移籍した04年は右足首のケガを押して縫合を繰り返しながら登板し、プレーオフでは靴下を出血で赤く染めながら好投。チーム名と同じ「血染めのレッドソックス」で86年ぶりのワールドチャンピオンに貢献した。07年限りで現役引退。通算216勝146敗、防御率3・46。

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