金本監督キャンプインへ「楽しみ」連発「若い時は憂鬱でしたけど」

[ 2016年2月1日 08:05 ]

那覇空港に到着し、笑顔で花束を受け取る金本監督

 阪神・金本知憲監督(47)が31日、沖縄県読谷村の宿舎でキャンプインへ向けた全体ミーティングを開き、「優勝を目指せる。日本一を目指せるチーム」と選手、スタッフを力強く鼓舞した。1日からの宜野座キャンプに備えて沖縄入り。「楽しみ」という言葉を何度も繰り返し、指揮官として初めて迎える「球界の正月」へ胸を躍らせた。

 金本監督が自ら気勢を上げた。午後5時半からチーム宿舎で開いたキャンプ前日の全体ミーティング。緊張感を漂わせる全選手、全スタッフの前に立ち、張り詰めた空気を鼓舞した。

 「(戦力的に)マイナス要素が多いけど、冷静に考えたら優勝を狙えるチームだと思うし、日本一を目指せるチームだと思う」

 若きエース、藤浪が「印象に残った」言葉として明かした。力強く威風堂々としたフレーズに乗せた思いが、しっかり選手たちの胸に届いた証しだった。

 午後に空路で沖縄へ到着。心境は選手時代とはまるで違った。

 「現役は21年間やりましたから。若い時とベテランになった時ではキャンプ(の練習内容)も違う。まあ若い時は(1月31日が)非常に憂鬱(ゆううつ)でしたけどね。『明日からしんどい』と…。そういう憂鬱さはない。楽しみですね」

 指揮官として迎える初めての「2・1」。節目の日を迎えるにあたり、何度も「楽しみ」と繰り返した。気持ちの高ぶりを抑えきれなかった。

 「若手なら、去年の秋と比べてどれだけ変わっているんだろう、成長しているのか、と。主力なら、例えば球児とか楽しみだし、能見にしても、西岡にしても。西岡は死ぬ気でやると言っていたから。それがどれだけのものか。主力も若手も両方、楽しみですね」

 期待を寄せる若手の成長、結果を求める主力の覚悟…。それらを、グラウンドに立ち、自分の目で見る春がついに訪れた。思いや考えを伝えることもできる。

 「行き詰まっている選手が打破するには、考える力というか、何が悪いと思っているのか(アドバイスしたい)ね。悩んでいる本人は分からないから。俺だけじゃなく、コーチともコミュニケーションを取ることは大事だと思う」。多くの人と野球を語り合う光景を思い浮かべるだけで楽しみは尽きなかった。

 「(キャンプインの実感がわいたのは)選手を前にしてから。『いよいよだな』と。第一歩ですね。これが本当の就任の1日目やな」。昨秋キャンプは若手中心の選手構成だった。いわば助走。いよいよ、チームの主力とともに汗を流す時が来た。1日は金本阪神の「正月」でもある。  (惟任 貴信)

 ≪阪神新監督のキャンプイン前日≫

 ▽02年星野監督 わずか20分の短時間で熱い気持ちを伝えた。「今までの成績は忘れよう。オレは勝つために来た。優勝するために来たんだ」

 ▽04年岡田監督 V宣言もゲキもなく自然体の姿勢。「やることはみんな分かっているからね。1カ月間、充実したキャンプを送ろうという話をした」

 ▽09年真弓監督 選手の顔つきを見て最高の1カ月を過ごせると確信。「みんなが悔しさを持ってキャンプに来た。目の色が変わっている」

 ▽12年和田監督 6年間も優勝から遠ざかる状況を受け「勝つためのキャンプだ」と号令。さらに「チーム力、心のつながり、一丸になることが大事」と結束を説いた。

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