松坂開幕ローテ入り宣言 右肩は「医学的に100%」の状態

[ 2016年1月29日 05:30 ]

キャッチボールする松坂

 ソフトバンク・松坂大輔投手(35)が28日、福岡市東区の西戸崎室内練習場で自主トレを公開し、開幕先発ローテーション入りを宣言した。昨年8月に右肩手術を受け、春季キャンプはB組(2軍)スタートが濃厚だが、ハワイ自主トレではすでに2度、ブルペン入りするほど回復。今季36歳の「松坂世代」を再び、球界の主役に押し上げる。同日、ヤフオクドーム内の球団事務所で交渉し、現状維持の年俸4億円で契約を更改した。

 もやもやの消えた心の内を示すような白いウエアで現れた松坂は、金色のグラブをつけ、乾いた音を響かせた。25分間、最長40メートルのキャッチボールを終えると、視察した工藤監督と会話し、満面の笑み。あふれんばかりの自信が見て取れた。

 「ボールを投げることに不安はありません。痛みがないということは久しぶりですね。開幕ローテに入れるように、任せられると思ってもらえるようやっていきたい」

 右肩にメスを入れたのは昨年8月。「関節唇および腱板のクリーニング術」などで実戦復帰まで6カ月とされた。「筋力は術後、1カ月で戻りました」。11月中旬にはボールを投げ始めた。1月のハワイ自主トレでは2度、ブルペン入り。球団へ報告するたび「焦るな」と止められるほど順調で、わずか5カ月で準備を整えた。前日27日の定期検診では「医学的に100%」と主治医が太鼓判。松坂自身、右肩は「アメリカに行った年くらい(の状態)です」とメジャー1年目にレッドソックスで15勝した07年に匹敵する手応えだ。

 見た目も変わっていた。明らかにスリムに変身したことに「日焼け効果じゃないですか?」とごまかしたが、食事面の改善を行った結果だ。体重計には乗っていないものの「周り(の自主トレ仲間)は3、4キロは落ちたけど僕の方がしっかりやっていた」。4キロ以上の減量は確実なようだ。

 工藤監督は先発枠争いについて「実績のあるピッチャーを優先的に投げさせる」と明言。武田、バンデンハーク、摂津、中田は確実で、メジャー帰りの和田も有力だ。松坂は昨季1軍登板ゼロでスタート地点は後れをとるが「(チームの日本一の)うれしい気持ちと悔しさは両方あった。その中でやれる自信はありました」とニヤリ。大隣、千賀といったライバルと残る枠を争い、勝ち取る自信を胸に秘めている。

 球界を席巻した「松坂世代」はいつしか、脇役へ追いやられつつある。同世代とはこのオフも連絡を取り合い「自分らの世代で野球界を盛り上げよう」と志を一つにする。リハビリ中に西戸崎室内練習場まで足を運んだファンにも「毎日のように声を掛けてくれた人がいて支えになった」と感謝の言葉を示した。平成の怪物は再び、目覚める準備を整えつつある。(福浦 健太郎)

 ▼ソフトバンク・和田(松坂と同じ時間帯に練習場に現れて自主トレ。報道陣から同世代ツーショットを求められ)それはキャンプにとっておきましょう。

 ▽松坂世代 1980年4月から81年3月に生まれ、98年春夏甲子園を連覇した横浜高・松坂大輔と同学年の選手を指す。プロ入りした選手は、高卒入団、大学・社会人を経てからの入団を合わせて94人と優れた選手が多かったとされる。その他にプロ野球の「○○世代」は「KK(桑田真澄・清原和博)世代」や「ハンカチ(斎藤佑樹)世代」が有名。

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