西武ドラ1多和田 火の玉ボーイだ!球児ほうふつ 絶賛の嵐

[ 2016年1月26日 08:40 ]

8カ月ぶりにブルペン入りした西武のドラフト1位・多和田

 西武の「新18番」がベールを脱いだ。ドラフト1位・多和田(富士大)が、新人合同自主トレで初めてブルペン入り。投球練習を見守ったチーム関係者から続々と賛辞を贈られた。

 昨年5月に右肩痛が発症して以来、247日ぶりの投球だった。西武第2球場に隣接する室内練習場のブルペンに立った多和田が、ゆっくりと上げた左足を大きく前に踏み出す。低い重心からミットをめがけ直球を投げ続けた。「力は5、6割ぐらい。指に掛からない球もあったけど、久しぶりで無事に投げられて安心した」。捕手を立たせたまま23球の「慣らし運転」だったが、投げられる喜びをかみしめた。

 周囲を驚かせたのは新人とは思えない投球の質だ。鈴木葉留彦球団本部長は「リリースポイントが前なので、初速と終速が変わらない。球の伸びが(阪神・藤川)球児のいい頃に似ている。分かっていても打てない直球」と表現。捕手を務めた5年目・藤沢も「(西武時代の)涌井さんの球を初めて受けた時に感じた衝撃と同じ。切れも伸びもあって、打者の手元でグイッと浮き上がってくるような軌道。お世辞抜きで僕が受けた新人の中で球質は一番いい」と褒めちぎった。

 新人10選手はチーム方針のため2月の高知・春野キャンプではB班(2軍)スタートとなる。だが、多和田は少しも焦っていない。「自分の中で順調にきている。立ち投げだと思うけれど、キャンプ初日からブルペンに入りたい」。松坂(ソフトバンク)、涌井(ロッテ)らもつけた背番号18を受け継ぐ期待の右腕は順調に調整のピッチを上げている。(重光 晋太郎)

 ▼渡辺久信SD あの球筋ですよ。もともと力感がないフォームで投げ方がいい。普通に投げれば球はいく。まずはマウンドに上がれたということでよしとしないと。スタートしたね。

 ▼潮崎ヘッド兼投手コーチ 柔らかさを感じる。ものはいい。素晴らしいね。(1軍に上がってくるのは)5月でも6月でもいい。

 ▼高橋光成(ブルペンで並んで投球)凄かったです。あんなに軽く投げてあの球ですから。(強力なライバルが現れて)自分の将来を考えて不安になりました。

 ◆多和田 真三郎(たわた・しんさぶろう)1993年(平5)4月13日、沖縄県中城村生まれの22歳。小1から津覇少年野球クラブで野球を始める。中部商で1年秋からベンチ入り。3年夏は決勝で糸満に1―2で敗れ甲子園出場ならず。富士大では1年秋の明治神宮大会の準々決勝で国際武道大を相手にノーヒットノーランを達成。北東北大学リーグで通算32勝。球種は直球、カーブ、スライダー、フォークなど多彩。1メートル82、82キロ。右投げ右打ち。

 ◇主な西武ドラフト1位の初ブルペン

 ◆松坂大輔(99年)1月の新人合同自主トレ期間中はブルペンには入らず。2月3日、高知・春野キャンプで初めてブルペン入りし、捕手を立たせたまま91球を投げた。「満足」と話した松坂に、東尾監督は「宝物を見つけた気分」。

 ◆涌井秀章(05年)新人合同自主トレ中の1月24日、西武第2で初ブルペン。捕手を立たせて50球を投げる予定だったが、視察に訪れていた荒木投手コーチが「飛ばしすぎ」と35球でストップさせた。

 ◆岸孝之(07年)06年希望入団枠の右腕は、1月19日にブルペン入り。翌20日にも25球を投げ「フォームチェックをするために投げました。勝利数にこだわりたい」などと話した。

 ◆高橋光成(15年)1月14日、捕手を立たせたまま直球のみを33球。「投げたくてウズウズしていた。思ったよりいい球がいっていたので、本当に楽しかったです」。

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2016年1月26日のニュース