広島・堂林 新井バットで定位置奪還狙う、重く長くして勝負

[ 2016年1月25日 05:30 ]

広島・堂林

 広島・堂林翔太内野手(24)が、打力向上のために昨年の秋季練習から「新井貴浩モデル」のバットを使用していたことを明かした。石井打撃コーチの勧めで“相棒”を従来のものより大幅に増量化。現在は、数を振り込むことでヘッドを走らせる感覚を体に染み込ませている。定位置奪回へ、プリンスが勝負の7年目を迎える。

 決意の自己改革だった。期待されながら、伸び悩む堂林が、定位置奪回に向け大勝負に出た。自身の売りと言っていい打力アップへ昨秋から新相棒を選択。これまで使用していた880グラム、33・5~34インチ(約85・1~86・4センチ)のバットを一新し、現在は930グラム、34・5インチ(約87・6センチ)のものを振り込んでいる。

 「振るんですけど、振ってはダメ…というイメージ。重いバットでぶつける、重さに預けるイメージですね」

 転機は昨年の秋季練習中に訪れた。バットのヘッドが投手側に入りすぎる悪癖を解消するため、石井打撃コーチからバットの重量化を勧められた。感覚に合うものを探し求めた結果、新井が阪神時代に使用していたモデルに行き着き、秋季キャンプ、今オフの自主トレと約3カ月にわたって振り込んできた。当初、感じていた強い違和感も払しょくし、操作性を上げつつある。

 「軽いバットは軽い分、振らないといけないと思ってしまう。その点、重いバットは重さを感じながらヘッドを走らせる感じ。山野(打撃投手)にずっと投げてもらって、投げミスがあっても拾えたり、いい練習をやってこられたと思います」

 低迷からの脱却を胸に期す。2012年にシーズン全144試合に出場し14本塁打を放つなどブレークしたが、翌年からは右肩下がりで出場試合数が減り、昨季は33試合で打率・261。4年ぶりに本塁打なしに終わった。

 今季は中日からルナが移籍し、三塁の定位置争いは例年以上にし烈さを増すことが予想される。強力助っ人に対し「(打率)3割を打っているし三振も少ない。自分の理想に近い打者」と一目置くが、黙って三塁を明け渡すつもりなど毛頭ない。競争のスタートラインに立つために、まずはやるべきことをやり、周囲に変化を示す。

 バット重量化と同時に打撃フォームも改造した。秋季キャンプ終盤、石井コーチからの助言を受け、それまでのすり足から左足を上げてタイミングを取るフォームに変更。「自分の中ではタイミングが取れる、間が取れるな…と感じています」と手応えを得ている。勝負の7年目。プリンスが根本から自らを変える。

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2016年1月25日のニュース