黒田41歳シーズン快挙へ イチの姿が支え「僕の中で特別な人」

[ 2016年1月20日 05:30 ]

ロサンゼルスでの自主トレを報道陣へ公開した黒田(中央)。後方は一緒にトレーニングを行う広瀬(左)と五十嵐(右)

 広島の黒田博樹投手(40)が18日(日本時間19日)、ロサンゼルス近郊で自主トレを公開し、優勝争いに貢献するため1年間ローテーションを守った上で、あと7勝に迫る日米通算200勝達成を誓った。昨季はローテーションを飛ばすこともあったが、公約通りの2桁11勝を挙げ、規定投球回にも到達。今季2年連続で規定投球回と2桁勝利を達成すれば、2リーグ制後では40代投手初の快挙となる。

 悩み考え抜いた末に現役続行を決断した黒田は、迫りつつある大台を見据えていた。右肩の炎症などがあり、昨季は年間通してローテーションを守れなかった。「今年はローテーションを崩さずに投げ抜きたい」ときっぱり。最大の目標を口にした上で、日米通算200勝の大台に言及した。

 「あまりそこを意識してはいないが、チームに貢献できれば、そういう数字も見えてくる。しっかりした投球を1年通してやれば、おのずとそういう数字になる」

 名球会入りの条件でもある200勝には、あと7勝。19年間かけ、日本プロ野球114勝、メジャー79勝を積み上げてきた。順調ならば前半戦にも到達する大台。「新井の2000安打もある。僕自身も楽しみなシーズン」と節目のプロ20年目への思いを語った。さらに2年連続で規定投球回と2桁勝利をクリアすれば、2リーグ制後で40代投手初の偉業となる。

 海の向こうで同じく大記録へ挑むレジェンドの姿が支えとなる。元同僚で1学年上のイチロー(マーリンズ)は、65本に迫るメジャー通算3000安打に挑む。「僕の中では特別な人。日本でも去年たくさん引退される人がいた。自分の気持ちも弱くなりそうなところで、イチローさんがメジャーでまた新たなシーズンを迎えるのは、自分にとって心強い」とした。

 この日は同僚の広瀬、ソフトバンク・五十嵐とともに、体幹強化など約3時間体をいじめ抜いた。最後は13分間のランニングで締め、滝のような汗を流した。キャンプ中の2月10日に41歳を迎える。「年齢はよく言われるが、その体でシーズンに入ってみないと、分からないことがたくさんある。困らないために準備をする」。キャッチボールは年末から始め、遠投は70メートルに延びた。年明け4日から当地でローテーションを守り抜く土台を構築中だ。昨年は2月17日の沖縄2次キャンプから合流したが、今年は2月中旬の日南1次キャンプ合流と1クール前倒しし、それまでにブルペンにも入る予定。「できれば新しい球種も投げたい。球種名は投げられるようになったら、また言います」とさらなる進化も模索している。

 「常に最後のシーズン、という自分の気持ちは変わらない。やるしかない。それだけです」。毎シーズン、毎試合、1球ごとに、悔いなく全力でぶちあたる。不惑を越えて赤きレジェンドの気持ちと言葉は、何一つ変わっていない。(奥田秀樹通信員)

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2016年1月20日のニュース