殿堂入りの斎藤雅樹氏 母と藤田元監督に感謝 2つの転機もたらす

[ 2016年1月19日 05:30 ]

現役時代の斎藤氏

 昨年はわずか3票届かずに選出を逃した。斎藤氏は「ちょっとは期待していたけれど、うれしかった。野球を始めるきっかけをくれた母に感謝したい」と、晴れやかな笑顔を見せた。

 小5の時、本人に内緒でリトルリーグのチームに応募したのが母・ユキ子さん(78)だった。それまでソフトボールをしていた斎藤少年は「入りたくなかった。嫌々テストを受けた」。そこから野球人生は大きく変わった。

 もう一つの転機は巨人入団1年目の83年5月。多摩川グラウンドでの2軍練習中、視察に訪れた藤田元司監督に「ちょっと腕を下げてみろ」とサイドスロー転向を勧められた。そして才能が開花。89年にはプロ野球記録の11試合連続完投勝利を達成し、90年にかけて2年連続20勝を挙げた。94年には勝った方が優勝する中日との「10・8決戦」に2番手で登板。右内転筋痛に耐えて勝利投手となり「あれ以上に怖いゲームはない。自信にもなった」と振り返った。

 ユキ子さんに殿堂入りを伝えた際には「喜んでいたけれど、そんなに凄いことだと思っていないのでは」と笑った。今季からは巨人の2軍監督を務める。「若い選手に歴史をしっかり伝えていきたい」と結んだ。

 ◆斎藤 雅樹(さいとう・まさき)1965年(昭40)2月18日、埼玉県生まれの50歳。市川口から82年ドラフト1位で巨人入団。89年には日本記録となる11試合連続完投勝利をマークしてシーズン20勝。主なタイトルは最多勝5度、最優秀防御率3度、最高勝率3度、沢村賞3度、リーグMVPなど。01年に現役引退。02年から巨人投手コーチなどを務める。今季から2軍監督。右投げ右打ち。

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