能見 金本監督と対戦熱望 “速球派”転身テス投「当ててもいいつもりで」

[ 2016年1月18日 05:56 ]

能見は小雨の中、キャッチボールを行う

 阪神・能見篤史投手(36)が17日、沖縄・宜野座村営球場で自主トレーニングを公開した。金本知憲監督(47)から「速球派」への“転身”を進言されている左腕は今オフ、例年以上に負荷をかけたウエートトレーニングを行うなど、直球の球威、球速アップに着手。成果を見せるべく宜野座キャンプでは、ブルペン投球時に同監督に打席に立ってもらい“対戦”することを熱望した。

 能見は、やる気に満ちあふれていた。10月中旬、就任直後の金本新監督との個別面談で「まだまだ速球派を目指して」と技巧派からの“原点回帰”を進言された。もともと、直球には強いこだわり持っていたベテラン左腕の目の色が、変わった。近年を回想する表情は少し悔しげだ。

 「どうしても変化球が年々、多くなってる。勝負所で(捕手が)選択するボールで真っすぐが出て来ないのはね…。変化球が多くなった意味を理解しないと。その辺を覆していこうかなと思う」

 直球の球威、球速アップへ向けて今オフは例年以上にウエートトレーニングに時間を割く。量だけでなく「負荷をどんどん上げていっている。若い時より上がっている」と、各種目で過去最高とも言える負荷をかけて体をいじめ抜いている。

 「成果として少しでも(体が)大きくなれば。少しずつスピードも付いてくるんじゃないかな。なかなか5キロ、10キロ(アップ)は無理なんで、質という部分で上げないといけない」

 新・能見の“中間発表”と言える舞台が宜野座キャンプで用意される。熱望したのは金本監督との“直接対決”だ。ブルペン投球の際に指揮官に打席に立ってもらい、直球の精度をその目で確かめてもらう考えだ。

 「(打席に立ってもらう機会が)あるのであれば、ありがたい。いくらこっちが良いボールと思っても、打者にとってどうか。打者の意見は必要。当ててもいいつもりで投げないとダメだね(笑い)」

 現役時代には甲子園でのシート打撃で対戦経験があり「こっちが振ってくれると思っているボールも振ってくれない。ライトスタンドに放り込まれたけど…」と苦笑いを浮かべたが、監督の「速球派」発言に応えるべく、死球も辞さない「リアルガチ」で思い切り腕を振る覚悟だ。

 「(金本監督の)現役の頃から姿勢を見ている。気にかけてもらっているので。その分、応えないと。やっぱり胴上げをしたい。イニングも成績も下がっているので、盛り返さないと。結果を求めてやっていきたい」

 プロ12年目で投球スタイルの「超変革」を敢行する36歳。結果で恩返しする。 (遠藤 礼)

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